今日12月19日はお大師様が御修法の奏上をされた日です。お大師様は承和元年十二月 乙未(834年12月19日)に御修法の奏上をされています。「宮中真言院の正月の御修法の奏上承和元年十二月 乙未 大僧都傳燈大法師位空海上奏して曰さく。空海聞く。如来の説法に二種の趣あり。一には浅略趣、二には秘密趣なり。浅略趣といふは諸経のなかの長行偈頌これなり。秘密趣とは諸経のなかの陀羅尼、是なり。浅略趣とは、太素、 . . . 本文を読む
今日弘仁3年12月14日は高尾山神護寺にて大師が胎蔵結縁灌頂を開壇され、伝教大師・賢栄・泰法・忠栄・泰範・長栄等の高僧二十二人他、沙弥・近事・童子等145人が入壇した日です。灌頂歴名には「弘仁三年十二月十四日 於高尾山寺受胎蔵灌頂人々歴名 都合一百卌五人 之中太僧廿二人、沙弥卅七人、近事卌一人、童子卌五人 太僧衆数廿二人 一僧最澄興福寺宝幢 二僧賢栄元興寺大白明 ・・」とあります。畏れ多いことで . . . 本文を読む
今日は大師の「三教指帰」が書かれた日です。三教指帰序末に「時に延暦十六年臘月の一日なり」とあります。三教指帰は、大師が24歳の延暦16年12月1日(797年12月23日)に成立、出家宣言の書とされています。序文の「支離懸鶉(不具・貧者)をみてはすなわち因果の哀しみ休まず。目に触れて我を勧む。誰か能く風を係がん」には大師のすべてが現れているように思います。「誰か能く風を係がん」とは逆に如何に親を含め . . . 本文を読む
承和二年835十月十八日實恵等が嵯峨上皇の「海上人を哭する」詩に答えて「恩勅の詩篇を謝する表」を奉じた日。(大師年表等)「門弟實恵等上表し恩勅の詩篇を謝す」「草上の僧實恵等聞く、徳廣きときは則ち物懐かざるなく、仁廣きときは則ち恩こうむらざるは無し。信なる哉、斯の言、今日七日、伏して御製の手札先師を哭するの詩を奉ず。宸章高臨、下土を照曜す。生死栄龍永く無窮に伝ふ。非幸非幸。伏して惟んみれば太上皇帝陛 . . . 本文を読む
「御大師様も十善戒がすべての戒律の基本であるとおしゃっています。「・・諸戒は十善を本となす。いはゆる十善とは、身三語四意三なり。末を摂して本に帰すれば、一心を本となす。一心の性は、仏と異なることなし。我心と衆生心と仏心との三、差別なし。この心に住すれば、すなはちこれ仏道を修す。この宝乗に乗ずれば、直ちに道場に至る。・・・(弘仁の遺誡)」 . . . 本文を読む
今日弘仁九年三月十九日は大師が(大師45歳)、「新羅の道者に与える詩幷に状」を書かれた日です。「新羅の道者に与える詩幷に状忽ちに筑前の大守の説を見て新羅の上人等海を過ぎて入朝せらるることを承る。喜ちょく(よろこび恥じる)何ぞ言わん。春の華灼々たり(咲き誇る)。伏して惟んみれば上人等海を過ぎて忽ちに到れり。容体如何。貧道久しく禅関を閉じて迎慰することあたわず。中心に謁を企て日夕に我を労す。聊か一篇の . . . 本文を読む
「十喩を詠ずる詩」(大師)
「・・・一念の眠りの中に、千萬の夢あり
乍ちに娯み、乍ちに苦んで、籌ること能はず
人間と地獄と天閣と
一たびは哭し、一たびは歌つて、幾許の愁いぞ
睡りの裏には實眞にして、覺むれば見へず
・・・
喜ぶこと莫れ、嗔ること莫れ、是れ法界なり
法界と心とは、異詳なし・・」
何度読んでもすごいお言葉です。 . . . 本文を読む
今日は大師が嵯峨帝へ神水一瓶を送られた日です。高野雑筆集巻上にあります。「沙門空海もうす。伏して聖体の乖豫を承って心神主なし。すなわち諸の弟子の僧等と法によりて一七日夜を結期して今月八日より今朝に至るまで一七日畢なんとす。持誦の声響き閒絶せず。護摩の火焔昼夜に接す。もって神護を仏陀に仰ぎ平損(平癒)を天窮に祈請す。感応未だ審んぜず。巳を尅めて肝を爛らす。伏して乞う体察したまへ。謹んで神水一瓶を加持 . . . 本文を読む
今日は大師が「真言付法伝」を撰述された日です。「真言付法伝」では、大日如来、金剛薩埵、龍猛菩薩、龍智菩薩、金剛智三蔵、不空和尚、恵果和尚、善無畏三蔵、一行禅師について述べられています。そして最後の行で「弘仁十二年九月六日書す」と書かれています。このうち、 大日如来 、 金剛薩埵 、 龍猛菩薩 龍智菩薩 金剛智三蔵 不空三蔵 恵果和尚 弘法大師を付法の八祖といい、密教の灌頂受法の相承を示します。また . . . 本文を読む
今日は大師が真言宗所学経律論目録(三学録)経二百巻、梵字真言讃等四十巻、律百七十三巻、論十一巻、合四百二十四巻を「弘仁十四年十月十日
前入唐学法沙門伝燈大法師位空海進」として朝廷にだされています。これは同年正月十九日に東寺が下賜されたことに対する決意表明でもあったのではないかと言われています。内容の最初のころの一例です。気が遠くなります。「金剛頂瑜伽真實大敎王経三卷・金剛頂瑜伽念誦経四卷・金剛 . . . 本文を読む
「四恩の奉為に二部の大曼荼羅を造する願文」 奉為四恩造二部大曼荼羅 弟子苾蒭空海両部曼荼羅に帰命し奉る それ金剛の四法身(自性・受用・変化・等流法身)、胎蔵の三秘印(法・三昧耶・大曼荼羅)は空性に憩って軷祖(ばっそ・発心)し、重如(真如)に秣って以て脂轄(しかつ・車に油指す)す。一道無為は初入の門(天台は密教の入門)三自本覚は声も及ばず(華厳も真言に及ばない)、衆宝の . . . 本文を読む
「大徳如法のために招提寺の封戸を恩賜するを奉謝する表」(弘法大師代筆)沙門如法言す。伏して招提寺の封戸伍十烟を恩施することを蒙る。如法、師に随って遠く聖朝に投って今に六十年。徳行取りどころなく、才能聞こえずといふといえども、先師の余慶聖朝の泰沢に頼って積恩塁畳して積んで年歳あり。伏して惟んみれば皇帝陛下、仁両儀に過ぎ(仁徳が天地の如く広く)、道貫三に隆りなり(貫三とは「三」の字の真ん中を貫くと「王 . . . 本文を読む
「それ釈教は浩汗(こうかん)にして際(きは)なく、涯(はて)なし。一言にしてこれを弊(つく)せば、ただ二利にあり。常楽の果を期するは自利なり。苦空の因を済(すく)ふは利他なり。空しく常楽を願うも得ず。徒(いたずら)に抜苦を計れどもまた難し。必ずまさに福智兼ねて修し、定慧並べ行じて、いましよく他の苦を救い、自の楽を取るべし。(弘法大師「御請来目録」) 」(お釈迦様の教えは果てし無く広いが、一言にして . . . 本文を読む
秘密曼荼羅十住心論・・・もし五戒を持すればすなわち二十五の善神ありて恒に人身を衛護して人の左右にあり。宮宅門戸の上に於いて万事をして吉祥ならしむ。(もし五戒(在家信者が守るべき不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不飲酒の五戒)を保てばすなわち二十五の善神が常にその人を守り、左右におり、家屋・門戸の上にあって万事を好転させる。(二十五善神は灌頂経によれば・蔡芻毘愈他尼(人身守護邪悪排除)・輸多利輸陀尼( . . . 本文を読む
・「それ釈教は浩汗にして際なく涯なし、一言にしてこれを蔽えばただ二利にあり。常楽の果を期するは自利なり、苦空の因を救うは利他なり。空しく常楽を願うも得ず、徒に抜苦を計れどもまた難し、必ずまさに福智(注1)兼ねて修し、定慧(注2)並べ行じて、いましよく他の苦を救い、自の楽を取るべし。(御請来目録)」(自他を救うためには、仏教の教理を学び、六波羅蜜特に布施行を実践し、禅定と智慧を磨かなければならない) . . . 本文を読む