今日弘仁九年三月十九日は大師が(大師45歳)、「新羅の道者に与える詩幷に状」を書かれた日です。
「新羅の道者に与える詩幷に状
忽ちに筑前の大守の説を見て新羅の上人等海を過ぎて入朝せらるることを承る。喜ちょく(よろこび恥じる)何ぞ言わん。春の華灼々たり(咲き誇る)。
伏して惟んみれば上人等海を過ぎて忽ちに到れり。容体如何。貧道久しく禅関を閉じて迎慰することあたわず。中心に謁を企て日夕に我を労す。聊か一篇の詩を賦してもって相惟うことの至れるを表す。また一両事の法衣を造らしむ。早々にしてこの使いに附するを得ず。必ず後人に附して上らん。推してこれを悉しくするを垂れよ。入京の日、必ず専らに候たん。面に未聞を披かん。珍重珍重。高雄持金剛道場持念の沙門遍照金剛状を上つる。
暮春十九日
青丘の上人等の法前 新羅の上人等の入朝せるに送り奉る
青丘の道者機を忘るる人 法を護り縁に随って物を利する賓なり
海際に盃を浮かべて日域に過る。嚢を持し錫を飛ばして梁津を愛す(衆生済度する)。
風光月色寺を照らす。鸎うぐいす囀り楊華いて暮春に発す
何れの時にか魏闕に朝せん(朝廷に参内する)。言を忘れ蓋を傾けて煙塵を褰かかげん。」
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