御大師様の先祖供養についてのお考え・・23
「藤原冬嗣三回忌の願文」
「右将軍良納言(良岑安世)開府儀同三司左僕射(藤原冬嗣)のために大祥(三回忌)の斎を設くる願文
謹んで天長四年孟秋季旬(陰暦七月下旬)をもって、先の左僕射の大祥の奉恩に、金字般若経一十二紙を写し奉る。これを延くに龍象をもってし、これを衍ぶるに涌泉(経典)をもてす。方丈の草堂は法果(法界)を呑んで蟇芥(たいかい)たり。花山の松林は . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・22
・御大師様は、金剛頂経を写経し修することによりその功徳により故人の魂を助けるとともに功徳を有情すべてにも行き渡らせる、とおしゃっています。
「弟子真境が亡孝(亡父)の七七の斉を設くるための願文」
「それ恩河深くして底なく、徳山峻しくして天を衝く、林烏なほ反哺を知る、尤霊(万物の霊長たる人間)豈よく遺忘せんや。尼父(孔子)はその終りを慎むことを誡め、金仙( . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・21
御大師様の「沙門勝道山水を歴て玄珠(げんじゅ、悟りを求める心)を瑩く碑並序、沙門遍照金剛撰」
「蘇巓鷲嶽(そてんじゅがく、須弥山・鷲峯山)は異人(佛菩薩)の都するところなり。達水龍坎(だっすいりょうかん、龍の棲む池)は霊物ここにあり。夫れ境、心に従って変ず。心垢るれば境濁る。心は境を逐って移る。境しずかなるときは心ほがらかなり。心境冥会して道徳(絶対の働 . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・20
「桓武天皇の奉為に太上御書の金字の法華を講ずる達親」
十善の君と言われる天皇であっても先祖供養により覚りへ導かれ、功徳を施主の後帝が受け国が治まりさらに一切衆生に及ぶ、と言われています。
「沙門空海聞く、栗駄の蓮理(かりだ心)は湿凝(因果)を筌魚(経典)に貸り、大我の広神(佛の広大な知恵)は虚金を指兔に仮る(明智によって妄念を止めるべく経典を示された)。 . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・19
「僧寿勢(不詳)先師の為に忌日の料物を入るる願文」亡僧であっても供養して覚りへ導いていただくといっておられます。
「弟子苾蒭寿勢、三宝に帰依したてまつる。覚の鉢曇(至極)を名ずけて佛という。衆と達磨とはすなわち人の心なり。臂を断ち、足を接す(頭面接足)。この言幽閑なり(おくゆかしい)。師に非ずんばいかんが証せん。故によく朋を百域に訪うて(善財童子が110 . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・18
「藤原冬嗣三回忌の願文」。ここでも写経は故人を覚りに導くのみでなく、施者を繁栄させ、一切の生類を悟らせると述べておられます。
「右将軍良納言(良岑安世)開府儀同三司左僕射(藤原冬嗣)のために大祥(三回忌)の斎を設くる願文
謹んで天長四年孟秋季旬(陰暦七月下旬)をもって、先の左僕射の大祥の奉恩に、金字般若経一十二紙を写し奉る。これを延くに龍象をもってし、こ . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・17
・「前の清旦州、亡妻の為の達嚫(だっしん)」「・・・もし男女あって一度此の偈を聞けばよく罪業を滅して早く善果に登る。(涅槃経の「諸行無常、是生滅法、生滅滅己、寂滅為楽」の偈を聞くとその霊魂は罪業を滅して成仏する)・・伏して願わくは此の法力をもって先霊を開悟せしめむ、妙偈加持して早く知見の源を證し、没駄護念してすみやかに本覚の殿にあそばむ。(お釈迦様が霊魂 . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・16
・大師は大宰少弐田中氏の先妣の周忌斎を行われています。写経や法要で施主も福を受け一切の生類に及ぶとされています。
「田少弐が先妣の忌斎を設くる為の願文 一首」 「恭んで惟れば身体を陶冶するは二親の恩重し、岳瀆を酬報せんこと仏にあらざれば誰にか帰せん。沒駄の力もって為さざるところなし。これを憑み、これを仰げば怨親なおし子のごとし。神通縁あり、悲願極りなし。 . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・15
・大師は鑑真和上の高弟如宝を供養されています。「この白業(善行)を挙げてかの四恩に沃がん。・・・虚空を盡し、法界に洞かんじて同じく(遷化した如宝も)一味の醍醐に飽きて斉しく三点の覚苑(法身・般若・解脱の三点の覚りの世界)に登らん。」とおっしゃっています。
「招提寺の達嚫の文
それ念風(無明煩悩)一度吹けば識海波濤し、覚月たちまちに飛んで智山崛不吻(くつふ . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・14
・大師の「大夫笠左衛佐、亡屋のために大日の楨像(ちょうぞう、絹の上に描く像)を造る願文
「恭んで聞く、嚩曰羅(ばざら)は智なり。鉢納麼(はんどま)は理なり。智はよく物を照らすに功あり。理は摂持して乱るることなし。摂持の故に大身法界を孕んで外なし。光照の故に廣心虚空を呑んで中なし。理智他にあらず、すなわちこれわが身心なり。一三の法(一法界心と三自一心。釈摩 . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・13
大師の「桓武天皇の奉為に太上御書の金字の法華を講ずる達親」です。写経により桓武帝の業を消滅させるといっておられます。
「沙門空海聞く、栗駄の蓮理(かりだ心)は湿凝(因果)を筌魚(経典)に貸り、大我の広神(佛の広大な知恵)は虚金を指兔に仮る(明智によって妄念を止めるべく経典を示された)。ここに爪章(長爪梵志の論章、断見論)髪論(黄髪外道の論書)は冥に絶え . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・12
大師の「弟子の僧真体、亡妹七七の斎を設けならびに伝燈料田を奉入するが ための願文」
「・・謹んで天長三年十月八日を以て先人の遺るところの土左の国久満ならびに田村庄、美作佐良庄,但馬の国針谷の田等を永く神護寺の伝法料に奉入す。兼ねて竜象を延いて大日経を演説す。ならびに百味を設けて三宝に奉獻す。伏してねがわくはこの妙業によって焭魂を済抜せん。五智爀日の容を( . . . 本文を読む
成功者の先祖供養・・4・鴻池屋の初代鴻池新六が定めた「幸元子孫制詞条目」には「万端正路を専らとし 王法国法を守り 仁義五常の道に背かず 主君に背かず 父母に孝行し 家内と睦まじくあれ 謙遜であって奢ることなく 自分の仕事を務め上げよ。・・先祖恒例之仏事怠慢無く急度勤行士べし。先祖なくして父母無し、父母なくして己が身なし、当時家業都合宜しく候も己が利根発明にして勤出すにあらず、全て先祖累代の積徳にし . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・11
大師の「式部笠丞がための願文」では、布施は四恩(父母,国,衆生,三宝)に報い、全生物に功徳を及ぼす、と言っておられます。
「・・・謹んで弘仁六年十月十五日を以て墾田一町永く燈分料に奉る。慧燈星の如くに懸けて疑、暗雲の如くに巻かん。智光月を朗らかにして覚威日を爀かがやかさん。伏して乞ふ、この善業(墾田一町永く燈分料に奉ること)によりて四恩をたすけ奉り、覚菀 . . . 本文を読む
成功者の先祖供養・・3・新四国曼荼羅60番札所 閑慶院は岩崎家の菩提寺です。 明治の廃仏毀釈の折に廃寺になりかけたところ岩崎弥太郎の奔走で永平寺直末寺として再興、本堂・鐘楼堂も岩崎家より寄進を受け再建されています。・住友家一族の菩提寺は「実相寺」(浄土宗:中央区上本町4丁目)、住友財閥第二代総理事の伊庭貞剛は「大事を決するときは住友家の墓前(実相寺)に額ずくを常とした」(「佛教的経営」・井上信一) . . . 本文を読む