御大師様の先祖供養についてのお考え・・10
大師の「笠の大夫、先妣の奉為に大曼荼羅を造り奉る願文」。「・・・日薄(せまり)、星廻って、期辰すみやかに至れり(日がおしつまり一周忌がめぐってきた)。謹んで天長元年孟冬二十二日をもって先妣の本願を問い源が為に大日の微細会の曼荼羅一鋪九幅七十三尊を図し奉り、ならびに大日経等の若干の部巻を写し奉る。兼ねて法侶を延いて大日の法智印(大日経)を講演す、四銖胖蠁( . . . 本文を読む
成功者の先祖供養・・2・2015年ノーベル医学生理学章受賞の大村智博士は毎日近所の複数の神社を熱心にお参り祝詞を挙げている姿が放映されていました。揮毫は「敬神崇祖」ということです。・2010年には小惑星探査機「はやぶさ」が奇跡の帰還を果たしましたが、責任者の川口淳一郎宇宙機構教授はゆかりの「中和神社(岡山県真庭郡)」(主祭神の久那止神は伊邪那岐命が伊邪那美命を慕い給い死人の国を訪れられた時に、多数 . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・9
「「藤原園人追悼文」には有名な「法力遠近なし」というお言葉が出てきます。遠くからでも供養はできるとおしゃっています。
「弘仁九年十二月、凶禍常なし。伏して承る相国納言、孝養を待たずと(大納言藤原園人は子供の孝養を待たず亡くなった)。乍ち聞いて驚慟す。五内(五情、こころ)主なし。惟んみるに擗躍はん裂して(胸も張り裂け)、荼毒(くるしみ)居り難からん。痛み当に . . . 本文を読む
成功者の先祖供養・・1先ず今回は成功するために先祖供養が有効である理由を書いておきます。・老子の道徳経では、先祖供養をすれば自分・郷里・国・天下が治まるといっています。「老子道徳経 第五十四章」「善く建てたるは抜けず、善く抱けるは脱せず、子孫以って祭祀して輟(や)まず。これを身に修むれば、その徳は乃(すなわ)ち真なり。これを家に修むれば、その徳は乃ち余りあり。これを郷(きょう)に修むれば、その徳は . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・8
「和気の婦人法華寺に於いて千燈料を奉入する願文」には、布施により故人の智慧が円満になり一切の有情にまで智慧が及ぶ、とおっしゃっています。
「故の姉(亡姉)・・昔法華寺に遊んでたまたま千燈会を観る。謹んで私の墾田を以て法華寺の千燈会に添え奉る、伏して願はくは智燈日に代わって(智慧の灯明が太陽のように輝き)融山の容円に現じ(仏の姿を円満に具現し)長夜に雲をかか . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・7
大師は、造仏や写経により先祖が業から逃れられ一切の有情にも功徳が及ぶといっておられます。
藤原朝臣常房の為に書かれた願文
「済恩寺願文
弟子藤原朝臣常房等、十方一切三宝に帰命したてまつる。恭んで聞く、蛇身牛口は万象を・・占に開き(蛇身の伏犠と牛首の神農は全てを八卦によって占った)、李下桑中は重玄を道易に述ぶ(孔子の「道」老子の「易」。「玄のまた玄は衆妙の門 . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・6
『性霊集』巻八「亡弟子智泉が為の達嚫文」では、「・・金 剛 子智泉 は俗家 には我 れを舅 と謂 ひ、道 に入 ては卸 ち長子 な り。 孝心 吾 れ に事 るこ と今 に二紀 な り。恭 敬 して法 を稟 け、両 部遺 す こ と無 し。 (中畧 ) 影 の如 く訶 に随 て離 れす 、股肱 の如 く相 從 ひ、吾 れ飢 れは汝 も 亦飢 え、吾 れ樂 . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・5
・性霊集巻七「知識の華厳会のための願文」では、供養は死者に届き永遠不滅の身を得さしめ、生きている人は如意円満となり、生きとし生けるもの一切が潤う、といっておられます。
「・・・宝閣は信解の神変を構え、憧幡は菩提の勇健を表ず。六樂倶に陳べ、八韻(8種の楽音)共に奏す。男女花を為り(花を捧げて供養し)、人天香を献ず(法華経に「諸天竜神人及び香華伎楽をもって . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・4
・性霊集巻七「菅平章事(菅野真道という参議)の為の願文」、ここでは四天王の像を造ったことで天皇の病気が治り、阿弥陀仏の像一躯、観世音菩薩、得大勢至菩薩の像を造ったことで父母を救うことができる、また造仏の功徳は国家を盛んにするとともに一切の生きとし生けるものに及ぶ、とおしゃっています。大師は先祖供養は国を救い、総ての生とし生けるものを救うとおしゃっています。 . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・3
性霊集の六・七・八巻は大師の達親文です。ここに大師の供養のお考えが凝縮されています。つまり造佛・写経・法要等の供養は施主の先祖を救うのみでなく一切の六道四生に及ぶとおっしゃっています。
例えば「・・三界を牢籠し(三界の衆生をよく率い)四生を綿絡して(胎・卵・湿・化の衆生を摂取不捨)同じく愛獄を脱して斉しく覚道に遊ばん。(「桓武天皇の奉為に太上御書の金字の法 . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・2
御大師様はあの世の迷える霊魂を救うことを相当深く考えておられたことが以下の一般的な記述からもわかります。
・「生まれ生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死に死に死に死んで死の終わりに冥し(秘蔵宝鑰)」とか「吾はこれ無始よりこのかた四生六道の中に父たり子たり(性霊集)」とおっしゃった上で、
三教指帰下では「いやしくもその道に合はば何ぞ近局に拘らん。 . . . 本文を読む
御大師様の先祖供養についてのお考え・・1
1、御大師様は先祖供養を体系化されました。
・「弘法大師逆修日記(傳弘法大師御作)」で初七日から三十三回忌までの御本尊をつくられています。
「弘法大師逆修日記事
・初七日、正月十六日、秦皇王、本地不動種子カン、無動経に曰く。諸の仏土を見んと欲すれば明王たちまちに出現し、行者を頂戴して能く之を見せシム。いかにいわんや余の事をや。持に随って成就を得る。四悪趣に . . . 本文を読む
先祖供養の方法・・3
3、自分で行う先祖供養
先祖供養は生きている間しかできません。生きているときにできるだけのことをしておく必要があります。僧侶に頼む先祖供養と自分で行う先祖供養を並行して生涯にわたり行っていくことが必要です。毎日の生活すべて・一生の過ごし方が先祖供養そのものです。
・特に布施が一番大切、無財の七施(雑宝蔵経にいう眼施、和顔施、愛語施、身施、心施、牀座施、房舎施)等。又、十善戒 . . . 本文を読む
先祖供養の方法・・2
「先祖の魂は子孫に伝わる.我が身生まれてあるは、即ち是れ、先祖の身分れたる故なり。 林羅山 神道伝授」という言葉があります。見てもない昔の先祖など関係ない、という人もいますが、「DNA]を考えると、DNAは生命が始まって以来の先祖情報を載せていることは否定しないでしょう。このように魂にもDNAがあるということです。むしろ霊魂の海にわれわれは浮かんでいるといったほうが正確か . . . 本文を読む
先祖供養の方法・・1
供養の種類には以下のようなものがあります。まず一般論を述べておきます。次回以降個別の方法を書きます。
・二種供養( 利供養・・・香・華・飲食など財物を供養すること。法供養・・・修法したり法を広めたりして衆生を利益する供養)
・三種供養 (利供養・敬供養(讃嘆恭敬する供養)・行供養(仏法を行ずる供養))
・四事供養 (飲食・衣服・臥具・湯薬)
・五供養 ( 塗香・華・焼香・ . . . 本文を読む