問、もしこの「本不生」という意味を分かる為にはどう言う点に気を付けて修行すればいいでしょうか? (もしこの本不生の義を観ぜんには如何が用心して修行すべきや?)
答、日常生活万事、着衣喫飯までも折に触れて今の目前の事がすべではない、と念ずべきである。謂く、薬も毒となることあり。怨んでいても仲良くなることもあり、喜びごとも憂いに変わることあり、栄えていても又衰えることがあり、甘いと思っていてもそのうち苦い味がすることがあり、寒いときにも温いことがありと、このように万事について絶対ということがないと観念するときは苦難に遭ってもおそれることはないし、幸福に逢ってもよろこぶこともない。苦い味をも嫌わず、甘い味にも執着することはない。凡そ喜怒哀楽愛悪欲等の境界にわが心を動ぜられることはない。かえってわが心の方が外界をあやつって自由自在を得るのである。大佛頂経に「妙湛總持不動尊」と説くのもこの心境を指していうのである。「煩悩即菩提生死即涅槃(大般涅槃經疏)」といふのもこの境地なり。「即身成仏」といふもこれを云う。実に貴ぶべきではないか。(日用万事着衣喫飯までも節に触れ、事に随ひてこれには局らずと念ずべし。謂く、薬も毒となることあり。怨みも親き方あり、喜びも憂の辺あり、栄ふるにも又衰ふる辺あり、甘きも苦き方あり、寒きも温なる方ありと、かくの如く万事に経て観行するときは難に遭ひても戚ることなくし、幸に逢ひてもよろこぶことなし。苦き味をも嫌わず、甘きあじをも酸まず。凡そ喜怒哀楽愛悪欲等の境界にわが心を動ぜられず、かえってわが心能く諸法を使って自由自在を得なり。大佛頂経に「妙湛總持不動尊」と説るもこの心地を指していうなり。煩悩即菩提生死即涅槃(大般涅槃經疏)といふもこの位なり。即身成仏といふも此重を云うなり。実に貴ぶべきにや)
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