第四節、道とは君臣道なり
(日本国も日本人も「道」を弘める為に存在するというがこの)道といふ事は真理を実行に移した時の名である。その実行を個人の上にのみ打ち立てたのがもろもろの道品(道徳の種類)である。それを団結力の上に打ち立てたのが國家の道品である。それが二つに流れて一は「國體」となり、一は「國法」となった。この國體意識が國家の使命を自覚した高尚な救世事業と成って発達した。それを王道とも名け、又は「天業」とも名けてある。・・しかしてこのあらゆる道品を総提して(勅教には)「國體の精華」とあげられて、その総容をば「克忠克孝(よく忠によく孝に、
注)」と仰せられた。これによると一切の道徳は忠孝の二つにおさまり、それが國體の精華であるといふことになる。・・日本で云ふ忠孝とは・大規模なものであり、所謂日蓮上人の訓へられた「世を安んじ、國を安ずるを忠となし考となす」といふ・・それだ。・・・
(注、「克忠克孝」は教育勅語にあります。
朕惟フニ、我カ皇祖皇宗、國ヲ肇ムルコト宏遠ニ、ヲ樹ツルコト深厚ナリ
我カ臣民、「克ク忠ニ克ク孝ニ」、億兆心ヲ一ニシテ、世世厥ノ美ヲ濟セルハ、此レ我カ國體ノ精華ニシテ、教育ノ淵源、亦實ニ此ニ存ス
爾臣民、父母ニ孝ニ、兄弟ニ友ニ、夫婦相和シ、朋友相信シ、恭儉己レヲ持シ、博愛衆ニ及ホシ、學ヲ修メ、業ヲ習ヒ、以テ智能ヲ啓發シ、器ヲ成就シ、進テ公益ヲ廣メ、世務ヲ開キ、常ニ國憲ヲ重シ、國法ニ遵ヒ、一旦緩急アレハ、義勇公ニ奉シ、以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ
是ノ如キハ、獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス、又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ、實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ、子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所、之ヲ古今ニ通シテ謬ラス、之ヲ中外ニ施シテ悖ラス
朕、爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ)
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