古今著聞集「貞崇法師勅に依りて念仏の時稲荷神託宣の事」
(三昧耶形は如意宝珠である稲荷神が念仏の功徳で上総國一宮の御祭神玉依姫命は宝珠を生むと託宣されたという、宝珠が宝珠を生むという信仰にもとずいた話。柳田国男も「玉依姫考」でここの御神体を「やはり靈玉であろう」としています。密教行者も如意宝珠を持っていると増えるといわれます。当方の宝珠も増えています。)
「延久二年1070八月三日、上総國一宮(注1)の御託宣に『懐妊ののちすでに三年におよぶ。今明王の國ををさむる時にのぞみて、わか宮を誕生す』と仰せられけり。これによりて海邊をみければ明珠一果ありけり。彼御正體(注2)にたがふことなかりけり。ふしぎなる事也。」
注1)玉前神社。
注2)ご祭神は 玉依姫命