弘仁十年五月十七日は大師が筑前の王大守宛に病気平癒の為に金剛般若経転読し快癒を喜ばれた日です。
「筑前の王太守宛 弘仁十年五月十七日
前に寝膳乖和(寝食不調)すと承る。すなわち諸の弟子らを率いて「金剛般若経」を転読すること一七日。前に人の伝え説るあり。王太守久しく風疾に染むと。たちまちこの言を聞いて驚憂これ深し。香を焚き誠を投じて諸仏の威護を祈る。
今、音札(音信)を披きて、平達を華下に承る(快癒の様子を承る)。忻愜(きんきょう、よろこび)喩え難し。兼ねて遠方の珍香の物を恵まる。喜荷して人を思う。香烟芬馥(ふんいく)として入定の諸尊を驚かし、妙薬わずかに嘗めて身中の万病を除く。
幸甚幸甚
蒸熱これ甚だし。書後動止いかん。貧道閑静を貪らんがために暫くこの南峰に移り住す。雲樹隔つといえども心通何ぞ遠からん。三時に持念して事ごとに福を廻らす。惟うにこれを悉かにせよ。謹んでこれを奉る。不具。沙門遍照金剛状し上る。
五月十七日
筑前太守記室謹空」
尚、 金剛般若経の霊験についてはここに書きました。
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