福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

還暦求聞持成満の記その16

2009-10-28 | 還暦求聞持成満の記
 さきに引用したお大師様の「舎心山太龍寺縁記」にも「求聞持成就の力をもって一切衆生を悪道に堕すべからず。」とあります。
さらにさきに引用した浅井證善師は高野山時報で
「大師の『三教指帰』序においては文章の抜けているところを読む必要がある。一切の教法の文義が暗記できるという能力が備わると儀軌にあっても、大師はいつまでもそれにこだわってはいなかった。如何となれば求聞持法は徹頭徹尾無欲の大道に自身を置かねば悉地成就でき得ぬ大法であるからである。」とかかれていなす。また「『虚空蔵菩薩経』姚秦、仏陀耶舎(カシミール出身)訳の中の「この経を懺悔尽一切罪陀羅尼経と名づく。亦、能満一切衆生所願如如意宝珠経と名づく。亦、虚空蔵菩薩経と名づく。・・一切衆生に慈悲心を起し、東方に向いて至心合掌す。虚空蔵菩薩名を称えて是の言を作す。大智虚空蔵を憶持し、大慈悲を得。」というところを引用されています。
つまり浅井師もお大師様は衆生済度のために求聞持を行じられたといっておられるのです。
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