福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

地蔵菩薩三国霊験記 2/14巻の4/16

2024-06-24 | 先祖供養

地蔵菩薩三国霊験記 2/14巻の4/16

四、明達夢想を示し給ふ。

山王院に蓮蔵房明達律師とて古徳の僧侍り。摂州住吉郡の人なり。姓は津守の某の息男たりし。生年十五歳にして夢の告御座て密に親の家を出て獨り松尾大明神の社(京都市西京区嵐山宮町にある神社。旧官幣大社。祭神は大山咋(おおやまくい)神、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと。平安京の鎮護の神とされ、東の厳神といわれた賀茂社に対し西の猛霊と称される。酒造の神とされる)に参籠して出家入學相應の砌を祈り奉りける程に大八日の暁に至って示現を蒙りけるこそ有難けるぞ覚ふ。曰く、汝が云所の求願早く千光院に於いて静観僧正(843-927 平安時代前中期の僧。比叡山で延最につき出家。円仁,円珍にまなぶ。園城寺長吏,天台座主、僧正。祈祷の功により宇多上皇に信頼された。号は千光院。著作に「宗論御八講」「胎蔵界口伝」など。)の所に参るべしと言て夢覚けり。明達喜て急ぎ登山して和尚の坊に尋ね入り縁の邊に徘徊しければ、和尚見玉ひて来由を問給ひけり。童子ありのままに白しければ和尚感嘆し玉ひて入道の儀式を調へて登壇受戒えおはりて、和尚の曰く、汝が器量佛法に於いて分明に達すべしとて明達と名付けらる。其後又示玉はく、汝地蔵菩薩に有縁なり。如説に信行を為すべしとて真言を授け給ふ。明達教の随(まま)に執行し口唱怠慢なく積功累徳して一を聞いて十を知る。真に明達の師と云ふべし。されば顕密共に其の理を得て臘四十八にして阿闍梨の位に登り六十二歳にして聯僧綱式となる。其の後住吉に下向して一宇を建立して浄土寺と号しける。本尊は阿弥陀・地蔵の二尊を安置し給ふて年の齢八十二にして又本山に皈り平生求の如く月の廿四日に臨終正念にして入寂ありけるとなん。

 

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