福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

国家危機を救う仏教原理「成就衆生浄佛国土」その10の1

2016-11-23 | 護国仏教
栂尾論文の続き「弘法大師が天長二年淳和天皇の勅を奉じて東寺に講堂を建立したまふや「仁王護国念誦儀軌」等にもとずきその壇上に諸尊を奉刻し安置されたのである。その様式は壇の中央に自性輪身(注)としての金剛界五佛を、その左方には正法輪身(注)として「仁王護国般若経」所説の五菩薩を、その右方には教令輪身(注)としての五大忿怒明王を奉安し、その壇の四隅には四天王を、その東西には梵天帝釈を崇祀してあるのである。・・・いま密教の見地からするかぎり「仁王護国般若経」の真精神を象徴し、これを本尊、金剛般若菩薩としたのである。その金剛般若菩薩も自性輪身(注)としては天地を貫く一大生命体としての大日如来に他ならない。この生命体としての全一の根本佛とそれによりて生かされておる各々個々のものとの交渉関連のうちに、組織し、形成されたものが現実の国土である。従ってそれは本来内外一体のものであり、物心一如のものである。この本尊を通じ、秘密般若の真精神を味得し体解することによりて天地万象の和順をはかり、顕幽二界の協和をくわだてる所に密教独自の護国思想があることになるのである。・・」

注)
自性輪身・・大本の仏。大日如来、阿閦如来、宝生如来、阿弥陀如来、不空成就如来
正法輪身・・自性輪身の正法を説く菩薩。般若、金剛薩埵、金剛蔵王、文殊・観音、金剛牙
教令輪身・・難化の者を折伏する明王。不同、降三世、軍荼利、大威徳、金剛夜叉


注)、なお国土は神であるとの思想は最近までありました。
「日本精神の研究(安岡正篤)」でも・・
「我が建国の由来を尋ねて先ず敬虔の情を覚えるものは、わが大八州国成立の神話である。天地開闢して後、伊弉諾伊弉冉の男女二柱の神がおのころ島におりられて、まず生まれたのが大八州、即ち日本の国土である。それから水や木や火の神が生まれ、女神は遂に崩御されて夜見の国に行かれた。夜見の国は見てはならない掟であったが男神はその掟を破って穢れを見、馳せかえってその穢れをお洗ひになった時、眼鼻から出られたのが天照大神月読尊素戔嗚尊であった。天照大神がわが皇室のご先祖であることはいふまでもない。してみれば大八州と天照大神とは御兄弟である。同じ親神から先ず大八州が生まれ、のち天照大神が生まれられたといふこの神話に私は不尽の理趣を覚える。・・萬物は一霊源の限りなき支派であって物と心は決して二元的存在ではない。物心本来一であって二ではない。・・」とあります。
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