福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

両部神道論其の16(神仏習合年表7)

2014-10-24 | 法話
1068、後三条天皇、即位灌頂で智拳印を結ぶ。大江匡房「後三条院御即位記」(群書類従巻九十一)に「治歴四年1068七月二十一日、辛卯子の刻,まず南殿御装束供奉す、・・次十ケ寺御読経、法性寺仁和寺円城寺法成寺広隆寺清水寺八坂寺珍皇寺常住寺出雲寺・・次に御装束了り時を聞かれ給、道平朝臣、時満の由申す・・・主上この間手を結ぶ、大日如来即持奉印の如し・・・」とある。このあと江戸時代まで即位灌頂は続いたとされます。

三輪流第二重即位灌頂分という即位灌頂用の次第があります。実際に天皇即位に使用されたかは不明ですが紹介しておきます。
「・先、第一鳥居初めの如し。・塗香・洒水・含香・引入初重の如し・入仏三昧耶印言、八葉印、おんあさんめいちりさんめいさんまえいそわか。・教授投華初めの如し・次に壇前において神祇法楽印明あるべし。・先智拳印おんばざらさんえいいさんえいきれいしゃえいそわか・次本壇天七地五勧請之を除く・証文・制戒詞真言・五種秘歌これを用いる・次に正覚壇に到り師資同高坐、阿闍梨四波羅蜜の真言を誦す、五智の瓶水をもって宝冠に注ぐ・先弥陀定印・慈おんまかまいたらやそはら、悲おんまかきゃらだやそはら、喜おんしゅだはらぼだそはら、捨おんまごべいきしゃそはら。・同印、師資俱に四種印明に住す、おんあみりたていせいからうん。・外五古印きゃからばあ、この印頂上に五智の宝冠を頂く。わが身天照大神なり。・無所不至印あばうん・智拳印ばん・次壇前讃文、善哉善哉蓮華王、汝暫く法性の真土を離れ、和光の塵に交じり衆生を利す、兼ねては無間業因を払はんがため、毘盧遮那壇戒忍進禅恵方願力智、十智光明を放って世間の有為無為を照らし、形を三十三に分って十九説法す。無垢清浄の月光は煩悩の幽谷を照らし、諸闇を破す、汝らは施無畏菩薩なり。・次に宝珠手に持ちて、三度受者に頂戴せシム。諸神金剛灌頂儀、如已如法灌頂竟、為成神祇体性故、如応授此金剛珠、・・・。・次宝剣、初めの如し。・・次円鏡、三度之を授ける。前の如し。示して曰、この鏡を内侍所ということは、天照大神お姿を鑄移し、子子孫孫に留め、百王百代の後までもこれを伝えるのおぼしめしあって、鑄たまふに三面あり、第一は円満ならず、今紀伊の国日前社之を祭る、第二は円満にして大神歓喜してご覧じたまひしとき、御手よりおとしたもうて三に割れたり、しかるを伊勢の御神体と祭りたまふ、唯一に神秘在るのよし、第三番目の鏡は今の内侍所これなり、これひとえに四海の民心を鑑み賞罪をおこなひたまふ帝王重宝鏡なり、ゆえに皇鑑の鏡と名ずくることは、帝王この鏡に向かへたまうに朝恩を崇むるもの影質直に現ずるゆえに、之を賞し、帝王蔑にするものはさかさまに浮かぶ、よってこれを罪したマフ、王位賞罰この鏡による、徳に随って名を立てるなり、今又汝に授けるなり。
右三種の神祇努々緒ならず信ずべきなり。
師資礼盤より下り、師赤蓋を取って受者を指す、壇を巡って三匝。・・」


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