福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

「十善法語」その53

2019-10-23 | 十善戒
佛在世に。頻婆遮羅王は世に謂ゆる仁者じゃが。律中にかうした縁事があるじゃ。その東宮たるとき。隣国の盎誐王は勢強く。此摩竭陀は勢よはし。毎年盎誐の大臣。摩竭陀に来て其貢獻を責る。或時彼大臣。頻婆遮羅太子に途に遇ふ。自の國勢を恃て車を下らず。太子云。何者か我前に在て不敬なると。大臣云く。盎誐大王我を使して貢獻を責ると。太子云。汝が國も灌頂大王。我國も灌頂大王。汝は汝が國に在て人民を治よ。我國に来て不敬をなすべき理なしと。大臣この言葉を聞て沈默して盎誐に帰り。此を其王に奏す。盎誐王憤て別に使を馳て摩竭陀に告ぐ。汝が國先王己來我國に貢獻怠らず。異言あることなし。今太子の言甚雄異なり。我画り(まのあたり)決せんと思ふ。太子を我國に送るべし。然らずば四部の兵を率て王都に陳すべしと。摩竭陀の大臣も父王も其威に怖れて答を猶豫す。太子これを聞て其大臣に命ず。これ何難きことかある。彼に答て云へ。太子汝が國に往くべし。太王自ら四部の軍を率いて國境に迎べしと。終に小衆を以て大軍を敗り。盎誐の國を領し。両國の人民を撫育せしと。かうじゃ。仁慈の勇威は強きじゃ。
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