福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

還暦求聞持成満の記その66

2009-12-17 | 還暦求聞持成満の記
8月25日
満天の星空と満月のもと明星禮を修行できました。蟻の件で自分の根本罪障を今回も必死に懺悔しました。
19座4時半入堂。今回はなぜか蟻はでない気がして行に入りました。必死で拝みました。すると蟻はやはり出ませんでした。願いが佛さまに届いたのかもしれないと思いました。久しぶりに気持ちよく行ができました。行の最後のころになってお堂をコツコツとたたくおとがしました。行をおえて外にでてみると啄木鳥がいました。ここの啄木鳥は「啄木鳥も庵は破らず夏木立」という芭蕉の句を知らないと見えます。
このころはなにか舎身嶽や諸堂と親しみをかんじるようになっていました。なんともいえず夜中に山の中をあるくのが楽しいのです。真っ暗な中お堂を巡るのが楽しい気がします。東京にいるときはさぞ恐ろしいだろうと想像していたのですがまったく正反対の気分になっています。
「おのずから住めば持戒のこの山はまことなるかな依身よりも依所」
という伝教大師のお言葉が思い出されます。ここはそういう場所なのかもしれません。「二千日回峰行大阿闍梨酒井雄哉の世界」という本をもってきたのですがそこに酒井師に合掌している大勢の信者の写真があります。本を読み終えて本堂に目を向けると車椅子の女性を押してお参りする中年の遍路の姿が見えます。見ているうちになにか涙が出てしかたありませんでした。
20座は懺悔に徹しました。瞑想も何度も修しました。するとお堂なのに岩の上で満天の星空の下、罪障消滅の御真言をお唱えしているように錯覚しました。
みるとローソクの姿が観音様になっていました。蟻は来なくなりました。
外からいつまでも続く長い長い声明がきこえてきます。ここ数日この不思議なエンドレスな声明が聞こえます。こんな長い声明は聞いたことがありません。不思議に思っていたのですがあとでこれは野外掃除機の音だと分かりました。このころはなんでもありがたい音にきこえてしまっていたのです。本堂では若い夫婦が一心に般若心経を上げていました。はるか離れたところで聞いていても心が打たれます。かならずこの夫婦にもお蔭はあると確信できました。
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