福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

国家危機を救う仏教原理「成就衆生浄佛国土」その11

2019-10-26 | 護国仏教
守護経にもとずく護国思想
「守護経」といふのは具には「守護國界主陀羅尼経」といひ、國界の主すなわち国王(現在では国民)を守護するための陀羅尼を基本として説いた経典といふことである。此の経は大師がこれをわが朝に請来せられたのである。
・・・此の経の「陀羅尼品」には「大日経」住心品における五大の隠喩や三句の法門(菩提心を因(いん)とし、 大悲を根(こん)とし、 方便を究竟(くきょう)とす )や、無相の菩提心(密教の覚り)などのことが殆ど同一の文字章句をもって説かれており、また同様に「諸佛境界攝眞實経」所説の梵字「唵、吽、惹、翳、佐」の五字を五佛の種子として各々の三昧を観ずることが説かれている。さらに「守護國界主陀羅尼経」第九巻「陀羅尼功徳軌儀品」の中には「諸佛境界攝眞實経」と等しく、五部各々独自の念誦法のことや、五相成身観等のことがとかれている。
・・・特に護国思想に関することは主として守護國界主陀羅尼経第九巻「陀羅尼功徳軌儀品」にとかれているのである。
それによると「一の陀羅尼あり、即ちこれ一切陀羅尼の母にして、守護國界主となずく、とて、「唵」の一字陀羅尼をあげ、これを阿(a)と烏(u)と莽(m)の三字に分解し、この三字が次いでのごとくに法身、報身、化身の三身であり、この三字三身を合一せる「唵om」字こそが一切陀羅尼の母である。一切の菩薩はこれより生じ、一切の諸仏もこれから出現する。この「唵om」字が一切を統攝することたとえば国王が王城に住するときは百官や采女に囲にょうされ、もし出遊巡狩して皇居に帰還するときには必ず四兵をかざり、導従するもの千万であるけれどもただ王の住、王の往来とのみ云って、余を説かずとも悉く攝せざるものなきがごとくである」等と説いている。・・
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