福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

角田さんの「第7回江戸33観音東京10社巡拝記録」1/5

2015-11-19 | 開催報告/巡礼記録
1、11月に入り、東京地方は、街路樹の葉が、色づき始め、紅葉は、黄葉し、イチョウは、黄ばんだ扇の葉をつけて、すっかり秋の気配が漂っています。しかしながら、陽気が定まらず、朝夕の寒暖の差が激しく、天気も、雨がちの日が続きました。福聚講(高原耕昇講元)は、11月8日(日)第7回目の江戸三十三観音・東京十社巡拝行を行いました。この日も、前夜から小雨が降つていましたが、朝方になって、雨は、小降りになりました。午前10時、JR目白駅に集合。この日は、7人(婦人1人)が参加。駅で、巡拝仕度を整え、巡拝予定時刻を厳守するため、JR目白駅前から、都バスに乗り込みます。万事要領よく、Sさんの号令で、右へ習えで、動きます。鬼子母神前・バス停で下車。
この日、第一番の巡拝札所である金乗院を訪ねました。
江戸第十四番札所。神霊山 金乗院[東京都豊島区高田2-12-39] 本尊 聖観世音菩薩 宗派 真言宗豊山派
金剛院は、開山永順が、本尊の聖観世音菩薩を勧請して、高田宿坂下に、観音堂を建立したのが草創とされています。永順の没年が、文禄3年(1594年)6月であることから、それより以前、天正年間(1573年~92年)の創建と考えられます。当初は、蓮花山金乗院と称し東京・中野の寶仙寺の末寺でしたが、後に、神霊山金乗院慈眼寺と改め、護国寺の末寺となりました。
江戸時代には、近辺の此花咲耶姫社などの別当でしたが、昭和20年4月の戦災で、本堂や水戸光圀の手になると言われた此花咲耶姫の額などの寶物は、焼失しました。現在の本堂は、昭和46年に再建され、平成15年に、全面改修されました。
金乗院は、別称、目白不動ともいい、目白不動堂(東豊山浄瀧院新長谷寺)は、元和4年(1618年)大和長谷寺第4世小池坊秀算が、中興し、関口駒井町[文京区]にありましたが、昭和20年5月の戦災により焼失したため、金乗院に合併して、本尊の目白不動明王像を移しました。
目白不動明王は、江戸守護の五色不動(青・黄・赤・白・黒)の随一として名高く、目白の号は、寛永年間[1624年~44年]に、三代将軍徳川家光の命によるといわれています。
墓地には、槍術の達人丸橋忠弥、青柳文庫を創設した青柳文蔵などの墓があり、境内には、寛永6年(1666年)造立された倶利伽羅不動庚申塔を始め、寛政12年(1800年)」造立された鍔(つば)塚など多くの石造物があります。(同寺縁起より)

参詣中、雨は、小雨ながら、降ったり止んだりで、その都度、傘をつぼめたり、さし開いたりしなければなりませんでしたが、正午頃には、止んできました。此のあたりの寺院は、大戦中、幾たびもの空襲を受け、本堂や、寺宝などは、悉く焼失したということでした。しかし、此の近隣の庶民の篤い信仰に支えられて、金銅仏の聖観世音菩薩の霊験あらたかな力と、目白断臂不動明王。自らの御臂を断ち切り、そこから、火焔を噴き出させて助けを求める人たちの煩悩を焼き尽くして助けるという、独特な不動明王の尊形は、悩み苦しむ人たちから、信ずる者の身を守っていただけると、多くの帰依を受けていたといいます。
この金乗院の有る地域は、中世のころ、「宿坂の関」と呼ばれる場所があり、古文書などには、僅かな平地があって、立丁場といわれる関所があり、此のあたりの坂の名が、「宿坂」といわれるゆえんだといわれています。江戸時代では、竹木が生い茂り、昼なおくらく、暗闇坂と呼ばれ狐や狸が出没して、通行人を化かしたといわれています。
今日の金乗院の界隈は、現代建築のビルが、林立し、昔の面影は、想像するのも難しいほど、すっかり変貌しています。そんな中にあって、同寺の境内は、広く取られており、喧騒に染まった表通り、と打って変わった静寂な空気が、心を憩わせてくれます。近代化の波の中にあって、頑と、俗世を寄せ付けない不退転の意志すら感じさせられます。度重なる、戦火にあい、本堂を焼失するという危機に瀕したのですが、平成の世になって、寺院の建造物は、鉄筋・コンクリート、一部、木造素材を使っての、近代的建築の寺院になりました。寺院は、木造建築であるという常識的な観念が有り、コンクリート寺院には、少し、抵抗があるのですが、これも、時の流れで、やむをえないことでしょう。肝心なことは、信心に帰依することです。建築素材は、もう、三度目の、焼失の目に遭いたくない。そして、寺院の灯を耐えさせず、守ってゆこうとする、奇特な人た ちが居られることを証明しています。嬉しいことです。力つ゛けられる思いがするのです。
御詠歌 「うつし世の まことの道を たずぬれば しるしまみえん 宿坂の里」


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