福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

還暦求聞持成満の記 その25

2009-11-06 | 還暦求聞持成満の記
金山管長の文の引用最終版です
「大師が明星を感見せる聖地において佛境界に摂取せられたることを喜び、思いを遠く仏陀伽耶の釈尊の感見したまひし佛地に遊ばしめ、直住月宮、まことに歓喜無量であります。月輪観に住してヲンアソワカの真言を誦するのが真言密教の安心の大本でありますが私はこの佛境界の影像を感見してより心をつねにこの真際に住せしめこれが私の一代の信念の根底となったのであります。顕教密教無量なるも要は如来の果界の開みにあり原始仏教、根本佛教というも原始の中の原始、根本の中の根本は釈尊の大覚体に直参直住するにあるをおもうのであります。この如来の示現せる光明こそは真に迷暗を照らす唯一の明星であります。
華厳経をはじめ一切の経は究竟していえば釈尊の大覚の内容を明かせるものであります。所説、無量でありますけれど、要は寂照不二、理智不二、色心不二、佛心一如の自覚体の如来の果徳をあかすにあるのであります。これを経論の文義についてみればその理解容易ならぬものがありますけれど、これを端的に具体的にいえば釈迦牟尼如来の大覚現証のとき感見したもうた大空に現ぜる明星の好相が大覚の内容の全体を表現せるものと観られるのであります。・・・」
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