福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

還暦求聞持成満の記 その26

2009-11-07 | 還暦求聞持成満の記
お大師様の「御遺告」にもお若い頃の求聞持の厳しいご修行ぶりがありましたので書き写しておきます。「・・・生年十五にして入京し初めて石淵の贈僧正大師に逢って大虚空蔵等ならびに能満虚空蔵の法呂をうけ心に入れて念持す。後に大学に経遊して直講味酒浄成(うまさけのきよなり)に従って毛詩、左伝、尚書を読み、左氏春秋を岡田博士に問ふ。経史を博覧して専ら佛教を好む。つねに思ふ。わが習ふところの上古の俗教は眼前すべて理なきや。一期の後この風やみなん。真の福田を仰がんにはしかず。よって三教指帰三巻をつくり近士となって無空と称す。名山絶壁のところ嵯峨孤岸の原遠然としてひとりむかひ、淹留苦行す。あるいは阿波の大龍の嶽に上って修行す。或は土佐の室生門の崎において寂暫す。心に観ずるに明星口に入り。虚空蔵の光明きたり照らして菩薩の威をあらわし。佛法の無二を現す。厳冬の深雪には藤衣を被って精進の道を顕し。炎夏の極熱には穀漿を断絶して朝暮に懺悔すること二十の年に及べり。ここに大師石淵の贈僧正召率て和泉の國槇尾山寺に発向し。ここにおいて髻髪を剃除し。沙彌の十戒七十二の威儀を授け名を教海と称し後に如空と称しき。・・」


他の「遺告真然大徳等」「遺告諸弟子等」でもこのあたりはほぼ同じ記述になっています。
 


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