福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

お大師様の御足跡寺院その26

2013-09-16 | 法話
26、満濃池御修築(大師四十八歳、弘仁十二年、八百二十一)・・満濃池(別格神野寺四国別格二十霊場十七番札所、香川県仲多度郡まんのう町神野字神野45番地)
「百姓恋い慕うこと実に父母の如し」といわれたお大師様は弘仁12(821)年満濃池改修別当に任ぜられわずか三月で現代にも通ずる逆アーチ型の堤防を築き周囲20km貯水量1540万tの日本一の溜池を完成されました。四国遍路で 別格札所神野寺を何回かお参りしましたが質素なお寺です。お大師様の像が大きな満濃池を静かに見下ろしておられます。 昭和天皇や三笠宮、高松宮の行幸碑もあります。平成十九年のお参りの時は帰ろうとすると境内で遊んでいたヨチヨチ歩きのお寺の子が近付いてきました。そして黙ってもみじのような手に握った石を二つ渡してくれました。 あとから思うともう一度こいということだったのでしょう、一年もたたないうちに二度目のお参りができました。
「高野大師御廣伝」には「請傳燈大法師位空海宛築満濃池別当状」があります。それには「・・浜継等、去年より修築を始めるが池大にして民少なし、築いまだならず、・・件僧空海・・道俗欽風、民庶望景、いればすなわち生徒市をなし、出ればすなわち追従するもの雲の如し、・・百姓恋慕すること父母の如し。・・」と書いてあります。いかにお大師様が当時から庶民に慕われていたかがわかります。
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