福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

還暦求聞持成満の記その3

2009-10-18 | 還暦求聞持成満の記
お大師様の著とされ弘法大師全集にのっている「舎心山太龍寺縁記  金剛遍照撰」からおもなところをそのままのせます。

「それ以れば諸佛の鎭場おおしといえどもあるいは劫初より以後出砌をもって徳を揮ひ。或は仁王の即位より以後。その御宇にあたって宿積数威力によって。忝くも勅に順じ紫宸の宣に応じてその霊地を開くもあり。また或は高賎平等の益信もってあらたにはじめて興隆をなすものあり。依正歩みを運ぶものあり。或はまた世を超え生まれたまへるに高祖の作徳をもって佛菩薩の像を安んずるものあり。また普賢大士の行をおさめたまひて因生隋果沙門。一天気の発心をもって十方の勧志をあつめて。徳を重ね誠を属して信仰をこふものあり。在在処々このごとし。

その阿波の国舎心山太龍寺においては天神七代のうち六世に面足の尊かしこちの尊しわかみ秀真(ほつま)のくにに降り居ますこれなり。七代にあたって伊弉諾尊伊弉冊尊玉垣の内国に降り居まし八嶋をうむ。さきにありて淡路の州を産む。これを淡道授別といふ。つぎに伊與の二名の州を産みます。一身に四面を産み在ります。一を愛比売といふ。これ伊與の国なり。二を飯依比古(いいよりひこ)といふ。これ讃岐のくにこれなり。三を太宣都比売(おほきつひめ)といふ。これ阿波の國なり。四を速依別(はやよりわけ)といふ。土佐の國なり。元根とは伊與二名の円所。人情の賢を構へ二の名を分けて四国といひなずくるなかにこの太宣都比売(おほきつひめ)は天神の相応恵会となす。玉城のうちの國は天地開闢の以後、天棚霧のなかに金色の雲一筋登り二神金色の雲に乗じて大雨をふらし濁る潮を和泥に為し世界を建立し風輪のうえに積み為す。水輪最も下に居る。その量無数なり。この上水輪の深さ十一億三万。下は八洛叉厚さ十六洛叉。凝り結して金となる。この金広厚十二洛社三千四百半。周囲はこの三倍なり。一洛叉はこれ三億踰善那三由旬なり。有情の業増上のゆえに。まず虚空の最下において風輪をしょうず。その量広て無数。厚さ十六億由旬。そのうえに水輪あり十一億二万由旬。うえの三億二万由旬凝結して金となる。下の八億由旬はなお水となる。そのなならびの広さその量これおなじ。その径十一億三千四百五十由旬。風水金のごとくして立ち。風のためしきりに泡を吹き上げて須弥山となる。ないし四大州八万の小州鉄囲山等をなす。かの萬億世界同時に建立するを三千大千世界といふ。かたじけなくも白鏡尊(すみすへのみこと)あらはらかへたまふ。光音天となずけたてまつる。
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