福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

Q,「不動尊の使者とされる八大童子、三十六童子の根拠はなんですか」

2012-12-28 | Q&A

Tさんから「不動尊の使者とされる八大童子、三十六童子の根拠はなんですか」との質問をいただきました。

1、八大童子については、「聖無動尊一字出生八大童子祕要法品」(大興善寺翻經院述)に「不動明王に一字心密語あり。即ち八字をもって一字をかざる。其八字とは即ち歸命の句也。 唅(かん)字を本尊となす。若し爾からばむしろ上の八字に其の形なからん哉。ゆえいかんとなれば。 那・莫(な・まく)等の八字は一一に皆な 唅(かん)の一字を歸敬す。是の故に其八字より歸敬使者を出生して 唅(かん)の本尊を圍繞す。所以に八大童子有り。一慧光菩薩。二慧喜菩薩。三阿耨達菩薩(あのくだった)。四指徳菩薩。五烏倶婆誐(うくばきゃ)。六清淨比丘。七矜羯羅(こんがら)。八制迦(せいたか)。これらは四智四菩薩、親しく大日の教令にしたがう為の故に、この形を顕現して聖無動尊を圍繞せり」と出てきます。

2、三十六童子については結論を言うと決定的典拠となるお経本がありません。大法輪平成二年一月号に村岡空師の「日本の不動尊信仰」という文がありますがこれに「天台座主の尊意(9世紀)が撰した「吽迦迦羅野儀軌」三巻にもとずき「仏説聖不動経」が編まれ、(ここに三十六童子が出)そしてそれを真言系の行者が部分的に手直しし、現在の形が生まれた。」とあります。
また昭和五二年四月号大法輪には「不動明王と使者」の題で真鍋俊照師が書いておられ、東寺の亮禅、宝蓮華寺亮禅共著の「白宝口抄」(十三世紀)では三十六童子のうち最後の妙空蔵童子を除いた三十五童子が出ているとしています。さらに理体坊良智という人は「不動法」の中で、「二童子、八大童子、三十六童子、七曜二十八宿、十二天、三十六禽など一体不二と想え。普門中一なり。すなわち本有と本体との大源なり。(すべては宇宙にちりばめられた星屑にすぎない。それも結局は法身大日の不二の法門という大きな白い紙袋の入り口に吸収されてしまう)」としています。

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