福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

昨日の定例会模様(追加)

2018-11-18 | 開催報告/巡礼記録
昨日の定例会模様
いつものように江戸川橋の今宮神社(明治維新前まで護国寺の境内社であった)にまずお参りします。神社には東京神社庁の「今月の言葉」として、賈誼(前漢の思想家・『新書』)の「「愛出(い)ずる者は愛返り、福住(ゆ)くものは福来(きた)る」がありました。人を愛すれば、その愛は自分に還り、
他に福を施せばその福は自分に還ってくる。ともいう意味でしょう。護国寺に向かいます。護国寺の門には「音羽茶会」の看板が出ています。あとでおききすると御前様が会長をされている茶会の様でした。お茶もそもそも仏事です。利休の著とされる「南方録」にも「小座敷の茶の湯は第一仏法を以て修行得道する事なり。家居の結構、食事の珍味を楽しみとするは俗世の事也。家はもらぬほど、食事は飢えぬほどにてたる事なり。是仏法の教え、茶の湯の本意也。水を運び、薪をとり、湯をわかし、茶をたてて、仏にそなへ人にもほどこし、吾ものむ。花をたて香をたく。みなみな仏祖の行ひのあとを学ぶ也。」とあります。
茶事が仏事であることから、境内にも五色の旛が流れています。この五色の旛は密教辞典によると、白赤黄青黒(胎蔵界の五色の順番で表示)の意味はそれぞれ、
胎蔵界五佛でいえば順に大日、宝幢、開敷華王、無量寿、天鼓雷音となり、
五智でいえば順に、法界体性智、大円鏡智、平等性智、妙観察智、成所作智となり、
方角でいえば順に、中、東、南、西、北となり、
五大でいえば順に、水、火、地、空、風となり、
五転でいえば順に、方便究竟、発心、修行、菩提、涅槃となります。
晴れ上がった秋空に五色の旛がたなびいているのを見ながら境内の一言地蔵様・お大師様・お薬師様など13か所を7回拝んで回りました。一言地蔵様の前には参拝者が並んでいました。ありがたいことです。幼子をつれた若い夫婦もいます。ほほえましい限りです。大日如来さまのまえでは若い男性が丁寧に拝んでいます。薬師堂の前にも必ず参拝者がいます。数十年前には全くなかったことです。こういう仏縁が増えるのはありがたい限りです。特に毎回若い参拝者が増えていることがなにより素晴らしいと感激ひとしおです。
今日は福聚講の参加者も増え有難いお参りとなりました。般若心経・観音経をあげましたが、観音経の偈「假使興害意推落大火坑念彼観音力火坑変成池」「或漂流巨海龍魚諸鬼難念彼観音力波浪不能没」「或遭王難苦臨刑欲寿終念彼観音力刀尋段段壊或囚禁枷鎖手足被杻械念彼観音力釈然得解脱」「雲雷鼓掣電降雹澍大雨念彼観音力応時得消散衆生被困厄無量苦逼身観音妙智力能救世間苦」などのところでなぜか、終戦後シベリヤでソ連軍に極悪非道に蹂躙されつくした日本の婦女子や捕虜、原爆の犠牲者、東日本在震災の犠牲者たちのことが脳裏に浮かんできたのでいつもより必死に観音経を唱えました。なぜ突然こうした犠牲者のことが浮かんできたのかは全くわかりませんが、こういう直近の歴史を忘れるなというお諭しと思います。
観音経のあとは角田さんが御詠歌修行和讃を披露してくださいました。「有難や、高野の山の岩陰に大師の御迹を慕わんと、諸国修行の旅の空、遥々海山辿りきて、まわる衆生を守りたまう。大師はいまもおわしまします。」です。有難い御詠歌です。
その後瞑想してお参りはおわり、皆さんで薬師堂・一言地蔵様をお参りし、ゴミ拾いしたあと喫茶店で歓談、五相成身観の階梯などお話ししました。大変ありがたいお参りでした。
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