A,三生得道とは、ふとした縁を仏さまと結ぶだけでも三度生まれ変わった後には仏道に入り悟ることができる、という因縁の話です。
「大智度論巻第十三」に
「比丘尼曰く、我れ自らもとの宿命を憶念するに、時に戯女と作る、種々の衣服を
著けて旧語を説く。或時比丘尼衣を著して以て戯笑と為す。是の因縁を以ての
故に、迦葉佛の時に比丘尼と作りき。時に自ら貴姓端正なるを恃み、心に矯慢を
生じて禁戒を破る。禁戒を破る罪の故に地獄に堕ちて種々の罪を受く。罪を受け
畢竟りて釈迦牟尼佛に値ひたてまつりて出家し、六神通、阿羅漢道を得たり。
是の故に知りぬ、出家受戒せば復破戒すと雖も戒の因縁を以ての故に、阿羅漢道
を得るということを。若し但だ作悪のみして戒の因縁無くば得道せざらんなり。」とあります。~~「大智度論巻第十三」
これは蓮華色比丘尼(ウッパラゲ比丘尼)の過去世の話です。蓮華色比丘尼は淫女たりしとき袈裟を戯れに掛けたがその因縁で迦葉佛の時に比丘尼にとなることができました。しかし破戒して地獄に落ちました。だがその罪の償いが終わると次の世ではお釈迦様のもとで出家して六神通、阿羅漢道を得ることができたということです。つまり前々世において、ふざけてではあるが、袈裟を纏った因縁により、三生ののちにさとりを開くことができたということです。
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