「長期的視点からの日本再建の方向について」
~東日本大震災後の日本再建に向けた長期ビジョン~
関口堅司
Ⅰ、経済の本義は、云うまでもなく経世済民「世を経(おさ)め民を済(すく)う」であるが、困窮のなかでも幸せを感じよと説くのは難しい。やはり国を治める元は、現在と将来に向かっての生活の安心を国民に示すことであり、その根拠は経済的基盤の確保である。
個人的レベルでは、当たり前の家計収支均衡、乃至その確かさへの将来的見込みの確立が、何故国家的レベルになるとかくも蔑ろにされるのか。無頓着とも見える全国民的無責任さの横行は、目を覆うばかりである。
Ⅰ-1、震災財源の確保
つけを、将来に先送りしない。欧米と比較し、増税余力のある大胆な消費税のアップをする。その為には、「為政者の覚悟を国民に伝える」(塊より初めよ)ため、自らの俸給カット。首相65%、閣僚55%、政権与党国会議員40%を行い、そのカット分を全て義捐金・支援金に供出。野党議員へは敢えて何も強要しない、出方を見る。公務員報酬カットは、その後。震災復興後は、消費増税分は財政健全化への道筋のなかで医療と年金財政の安定化へ向ける。(将来の安心が担保されれば、消費も必ず増幅する。)ムーディーズやS&Pの日本国債格下げは、日本への警告であり、ゆめゆめ忘れてはならない。
Ⅰ-2、震災地域の特区設定をきっかけに、道州制へ(イメージは、大きい藩か)。
個人も、地方行政さえも「おもらい体質」になっているのは、独立採算の仕組みになっていないことが大きい。与える仕組みでなく、独立採算の喜びを育てる仕組みを、まず地方行政に導入する。行政も工夫して収入を図り、工夫して使う。その結果残った剰余金は認めるが、剰余金の使途は、将来投資に限定する。勿論、最低限必要な国レベルの機能のみ残し、中央行政権限と予算は地方へ。
Ⅰ-3、社会保障的国民給付は、個人の努力を促す仕組みへ。
身体健全で働くことの出来る人(70歳以下)への生活保護費等支給(震災に伴う支給を含め。)は、就業訓練への参加義務と合わせ期間制限を設ける。良い意味での「働かざる者食うべからず」意識の徹底。健康なのに働く気がなく、生活保護を受けている人には、期間限定を。年金保険徴収は、税に準じた強い権限を持たせる。介護保険は、介護度の高い人のみに適用する。介護度の低い人は、自宅介護とし、従前の半額程度の費用を補助する。
Ⅰ-4、震災復興をエネルギーイノベーションの契機に(東北地方ロウエネルギーバレー)
あまりにもエネルギー多消費型社会になりすぎていた。今後の地球規模的視野から見て、人口増加によるエネルギー争奪戦、食料争奪戦は不可避・緊喫の課題である。現状のエネルギー消費を五分の一程度にして生活する社会(新しい生き方・生活の仕方)を目指し、世界中の智慧が集結できるシリコンバレーならぬロウエネルギーバレーを東北地方に特区設置。世界から優秀な研究者が集まる魅力を創る。日本の様々な省エネルギー技術を集結、世界からの研究者には円高を利用した高報酬の提供、地域スマートグリッド、電気自動車、エネルギーマネジメント住宅(省エネ家電マネジメントを含む。)、多様な自然エネルギーの利用、振動エネルギー利用の路面設置、豊かな自然と共生する美しい職住隣接田園里山村、競争力ある新しい農林水産業(従前の法的枠組みを乗り越えた。)等々。製造業を柱とせず、第一次産業と研究技術産業をメインに。勿論、関連する教育機関も設置。筑波学研都市の新しい第一次産業&エネルギー版で世界の智慧が集結するイメージ。
Ⅱ、今回の大震災後、その復旧・復興過程で見えてきたことは、地域コミュニティーの力の差である。日頃からの住民同士の連携、結束力が保たれているところは、行政力が殆ど壊滅的になった地域でも、大きな力となった。復興の過程では、この地域力を持続・維持していく仕組みをハードソフト面で支援する手だてが重要。今後の日本再生(広い意味での)に当たって、教育の再生は最も重要な課題である。村落共同体に残った共助精神溢れるコミュニティーの存続は勿論のこと、東京砂漠とも歌われる都会でのコミュニティー欠如は如何にすれば再生可能なのか。一つの鍵は、子供を通じたコミュニティーである。学校を核とした地域コミュニティー力の強化が考えられる。また、寄付金の対象となるNPOを増やし、老若男女の善意の集うコミュニティーの育成である。
Ⅱ-1、教育の再生 プロの育成強化のため、新たな複線系教育システムの構築を図る。これからの社会は、中途半端な総合教育をメインとした単線系教育システムでは世界的に対応不可の時代となった。プロが育ちプロが尊敬される社会。日本の職人は、その様な位置付けであった。技能士資格は、その流れをくむが、もっと教育システムから変えていく。教育系、工業系、商業系、IT技術系、ITソフト系、医学系、行政系、交通系、警察・国防系、等々。それぞれの系で、その頂点たる大学まで統一的な教育系とする。例えば、教育者は原則、教育系の出身とし、義務教育従事の教師はどの分野にも負けない高給をもって遇する。おのずと、教育系は難関となり、先生は社会的に尊敬される存在となる。一般父母の大学卒者が多くなり、先生より優れた教育を受けたため先生を蔑ろにするなどは、無くなる。勿論、教育者には、倫理教育の履修は必須である。
Ⅱ-2、学校を核とした地域コミュニティーの形成により、地域力を日頃より養う。
Ⅱ-3、善意を結集するNPOを育て支援。その仕組みに、退職後の老人力を役立てる。
~東日本大震災後の日本再建に向けた長期ビジョン~
関口堅司
Ⅰ、経済の本義は、云うまでもなく経世済民「世を経(おさ)め民を済(すく)う」であるが、困窮のなかでも幸せを感じよと説くのは難しい。やはり国を治める元は、現在と将来に向かっての生活の安心を国民に示すことであり、その根拠は経済的基盤の確保である。
個人的レベルでは、当たり前の家計収支均衡、乃至その確かさへの将来的見込みの確立が、何故国家的レベルになるとかくも蔑ろにされるのか。無頓着とも見える全国民的無責任さの横行は、目を覆うばかりである。
Ⅰ-1、震災財源の確保
つけを、将来に先送りしない。欧米と比較し、増税余力のある大胆な消費税のアップをする。その為には、「為政者の覚悟を国民に伝える」(塊より初めよ)ため、自らの俸給カット。首相65%、閣僚55%、政権与党国会議員40%を行い、そのカット分を全て義捐金・支援金に供出。野党議員へは敢えて何も強要しない、出方を見る。公務員報酬カットは、その後。震災復興後は、消費増税分は財政健全化への道筋のなかで医療と年金財政の安定化へ向ける。(将来の安心が担保されれば、消費も必ず増幅する。)ムーディーズやS&Pの日本国債格下げは、日本への警告であり、ゆめゆめ忘れてはならない。
Ⅰ-2、震災地域の特区設定をきっかけに、道州制へ(イメージは、大きい藩か)。
個人も、地方行政さえも「おもらい体質」になっているのは、独立採算の仕組みになっていないことが大きい。与える仕組みでなく、独立採算の喜びを育てる仕組みを、まず地方行政に導入する。行政も工夫して収入を図り、工夫して使う。その結果残った剰余金は認めるが、剰余金の使途は、将来投資に限定する。勿論、最低限必要な国レベルの機能のみ残し、中央行政権限と予算は地方へ。
Ⅰ-3、社会保障的国民給付は、個人の努力を促す仕組みへ。
身体健全で働くことの出来る人(70歳以下)への生活保護費等支給(震災に伴う支給を含め。)は、就業訓練への参加義務と合わせ期間制限を設ける。良い意味での「働かざる者食うべからず」意識の徹底。健康なのに働く気がなく、生活保護を受けている人には、期間限定を。年金保険徴収は、税に準じた強い権限を持たせる。介護保険は、介護度の高い人のみに適用する。介護度の低い人は、自宅介護とし、従前の半額程度の費用を補助する。
Ⅰ-4、震災復興をエネルギーイノベーションの契機に(東北地方ロウエネルギーバレー)
あまりにもエネルギー多消費型社会になりすぎていた。今後の地球規模的視野から見て、人口増加によるエネルギー争奪戦、食料争奪戦は不可避・緊喫の課題である。現状のエネルギー消費を五分の一程度にして生活する社会(新しい生き方・生活の仕方)を目指し、世界中の智慧が集結できるシリコンバレーならぬロウエネルギーバレーを東北地方に特区設置。世界から優秀な研究者が集まる魅力を創る。日本の様々な省エネルギー技術を集結、世界からの研究者には円高を利用した高報酬の提供、地域スマートグリッド、電気自動車、エネルギーマネジメント住宅(省エネ家電マネジメントを含む。)、多様な自然エネルギーの利用、振動エネルギー利用の路面設置、豊かな自然と共生する美しい職住隣接田園里山村、競争力ある新しい農林水産業(従前の法的枠組みを乗り越えた。)等々。製造業を柱とせず、第一次産業と研究技術産業をメインに。勿論、関連する教育機関も設置。筑波学研都市の新しい第一次産業&エネルギー版で世界の智慧が集結するイメージ。
Ⅱ、今回の大震災後、その復旧・復興過程で見えてきたことは、地域コミュニティーの力の差である。日頃からの住民同士の連携、結束力が保たれているところは、行政力が殆ど壊滅的になった地域でも、大きな力となった。復興の過程では、この地域力を持続・維持していく仕組みをハードソフト面で支援する手だてが重要。今後の日本再生(広い意味での)に当たって、教育の再生は最も重要な課題である。村落共同体に残った共助精神溢れるコミュニティーの存続は勿論のこと、東京砂漠とも歌われる都会でのコミュニティー欠如は如何にすれば再生可能なのか。一つの鍵は、子供を通じたコミュニティーである。学校を核とした地域コミュニティー力の強化が考えられる。また、寄付金の対象となるNPOを増やし、老若男女の善意の集うコミュニティーの育成である。
Ⅱ-1、教育の再生 プロの育成強化のため、新たな複線系教育システムの構築を図る。これからの社会は、中途半端な総合教育をメインとした単線系教育システムでは世界的に対応不可の時代となった。プロが育ちプロが尊敬される社会。日本の職人は、その様な位置付けであった。技能士資格は、その流れをくむが、もっと教育システムから変えていく。教育系、工業系、商業系、IT技術系、ITソフト系、医学系、行政系、交通系、警察・国防系、等々。それぞれの系で、その頂点たる大学まで統一的な教育系とする。例えば、教育者は原則、教育系の出身とし、義務教育従事の教師はどの分野にも負けない高給をもって遇する。おのずと、教育系は難関となり、先生は社会的に尊敬される存在となる。一般父母の大学卒者が多くなり、先生より優れた教育を受けたため先生を蔑ろにするなどは、無くなる。勿論、教育者には、倫理教育の履修は必須である。
Ⅱ-2、学校を核とした地域コミュニティーの形成により、地域力を日頃より養う。
Ⅱ-3、善意を結集するNPOを育て支援。その仕組みに、退職後の老人力を役立てる。