今日はお大師様が求められて劉希夷の詩集四巻を奉納された日です。
今日弘仁二年811六月二十七日はお大師様(38歳)が求められて劉希夷の詩集四巻を奉納された日です。
「劉希夷が集を書して献納する表」
「劉希夷が集四巻、本を副えたり。
右、伏して小内記大伴氏が上宣を奉って書取して奉進す。ただ恐らくは久しく揮翰を韞つつんで筆意に勝はず。強ひて書して空しく珍紙を汗すことを免れざるをことを。
王昌齢が詩の格一巻、これはこれ在唐の日、作者の辺において偶この書を得たり。古詩の格等は数家ありといへども、近代の才子、切にこの格を愛す。まさに今、堯日天に麗つき(堯のような徳のある嵯峨天皇)薫風地に通す。垂拱無為にして徳を頌すること街に溢てり。手足に任へず、敢へてもって奉進す。庶(こひねが)はくは、屬文の士をしてこれを知見せしめめたまへ。還って恐らくは恥を遼豕(りょうし・遼東の豚の飼い主が白豚を珍しいとして献上したが河東にいってみると豚はみな白かった、という故事)に招かんことを。
貞元(唐の貞元年間)の英傑の六言の詩三巻、元はこれ一巻なり。書様大なるに依って巻すなわち随って大なり。今、三巻に分かつ。文はこれ秀逸の文、書はすなはち褚臨王(褚遂良)の遺体(筆跡)なり。此屬このごろ、臨池の次いでに写し得て奉上す。
飛白の書一巻、またこれ在唐の日、ひとたびこの体を見て試しにこれを書す。虎変じて犬となる。未だ功を成さずといへども、それこれを献芹に比す。伏してねがわくは天慈曲げて一覧を垂れたまへ。葵藿(きくわく・ヒマワリが太陽にむかうこと)の至りに任へず。謹んで弟子の僧実慧をつかわして謹んで状に随へて奉進せしむ。軽々しく宸厳を黷けがす、伏して深く戦汗す。謹んで進つる。
弘仁二年六月二十七日 沙門空海進つる。」
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