昔、地下鉄が発達する前の都心は都電の路線網が張り巡らされていた。
鉄道ファンの私でも、その路線は把握できないぐらい多く、系統も複雑で
まあ、今の都バスを見るような感じである。
都バスの多くの車庫も、元は都電の車庫だった場所だ。
残念ながら今は早稲田から三ノ輪橋までの1系統になってしまった。
全部とは言わないが、もっとたくさんの路線を残して、クルマを減らすべきだったと思う。
欧米では都心の路面電車やLRTを復活させて、クルマを締め出す都市計画を行っている。
アメリカやフランスなどはかなりすごい。
汐留などもオフィスビル街にするのではなく、大規模な駐車場にして、銀座や東京駅までは
路面電車にすれば良かったのだ。
モータリゼーションを進めるのが都市だと思い、都電を廃止したのは後の祭りとなってしまった。
さて、都電の名残は一部の緑道などでわずかに想い馳せることもできるが、
レースがそのまま残っている場所など無い。
昔は渋谷駅の東口にアスファルトからレールが見えたのがマニアには知られたものだったが、
今はもう無い。
ところが、御茶ノ水駅の近くにレールが露出しているというのだ。
早速探しに行ったが、全然見つからない。
交番に聞いて見たが知らないようだ。
20分ぐらい探してようやく見つけた。
交番のお巡りさんもそれを見に来て、喜んでいた。
都電の歴史を見返すと、廃止された時に、最初はレールをきちんと撤去することになっていたが、
鉄道事業者の赤字廃止が続いた時に、特例としてレールの上に5cm以上の舗装があればOKとなるように
したために、このような個所が残っているのである。
しかしなあ、東京はもっともっと路面電車を残しておくべきだったよ。
東急世田谷線などは本当に便利だもんね。
それが知性というもんだよ。