大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道94

2008-08-03 19:14:04 | E,霧の狐道
 山下先生が俺に言った。

「 おまえだな、このォ~!
 ウイルスに感染させやがって!
 パソコン、どうしてくれるんだ!」
「 いや、動かしてないですよォ~。」
「 じゃ、どうして、コイツがいるんだ?」

画面のキツネは、二カッと笑ってVサインを挙げた。
 どうせ説明しても分かって貰えそうも無いので、俺はキツネをウイルスと、先生の希望通り言うことにした。

「 先生、昨日、エッチなサイトでも、見ていたんじゃないですか?」
「 えっ、・・・・・・。」

山下先生は黙った。

「 ホラ、やっぱり見てたんだ。
 だから、ウイルスに感染したんですよ!」
「 う、ウルサイ!」
「 どうするんですか?」
「 いや、冷静に考えると、心配は無い。
 こう言うときのために、パソコンにはウイルス駆除ソフトがインストー
 ルされているのだ。」
「 へぇ~。」
「 ウイルス駆除ソフト、結構、高かったんだぞ。
 でも、まだ、動かしたことが無いんだ。
 どんな、画面が出て来るのかな?
 今まで、ウイルスに感染したこと無かったからな。
 しかし、いよいよ、今回、出番がやってきたのだ。
 買っておいて良かったなぁ。」
「 早速、やってみて下さいよ!」
「 よし、まず、“ウイルス・駆除ソフト・モグモグ7”と打って、次
 にパスワードは“モエモエコロコロ”だ。」
「 ・・・・・・・。」

俺はソフトの名前を聞いて思った。

“ 何だか、ウイルスに返り討ちになりそうな感じだけど・・・・。
 もうちょっと、まともな駆除ソフトは無かったのかなァ・・・?”

それでも、山下先生は嬉々としてパソコンのキーボードを叩いている。

“ カタカタカタカタ・・・・。”

そして、打ち込みが終わると、勝ち誇った顔で言った。

「 ムフフフフ、打ち込んだから、エンターを押すぞ!
 行けぇ~モグモグ7、ウイルスを叩き潰すのだァ~~~!!」

“ ポチッ!”



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