大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道99

2008-08-15 23:11:37 | E,霧の狐道
    5、橋


 俺は、キープしたお揚げを持って山住神社に向かった。
アンパンマン自転車は、舗装されたアスファルトの道路を絶好調に走っている。
始めこそヤンキーを意識して注意して走っていたが、繁華街を抜けると、もうあの連中とは出くわすことも無いだろうと、軽く鼻歌も出て来る。
 家並みを抜け、町の西を流れる当摩川の橋を越え、少し走ると山住神社の森が見えて来る。
当摩川の橋を越えた辺りから、舗装していない砂利道だ。
 俺は西の空を見上げて思った。

“ 余計な所で時間を食ったな・・・・。
 少し、急いだ方が良さそうだ。”

もう、太陽は西の山に近付いている。
 俺は、自転車のスピードを上げた。
自転車の振動がガタガタ激しくなる。
お揚げの入ったスーパーの袋が自転車の前カゴの中で小刻みに揺れている。
涼しい風が俺の頬を通り抜け後ろに飛んで行く。

 俺は、途中でヤンキーに出くわすことも無く、無事、山住神社の鳥居の前に到着した。
山住神社は、町から少し離れた所にあるので人通りは無い。
神主も常駐しておらず、通いの状態だ。
大きな鳥居の奥の、暗い森の中に長い参道が吸い込まれている。
俺は、山住神社のいわれ書きの書いてある、腐りかけた立て札の前に自転車を置き、お揚げの入ったスーパーの袋をぶら下げて参道を進んだ。



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