俺は辺りの様子を窺いながら思った。
“ これはとんでもないことになったぞ・・・。
あの女の子、それに、あの男の声は、何なんだ。
男は、何処に消えてしまったんだ。
あの女の子は、まだ橋の上に声を潜めて俺の様子を窺っているのだろう
か・・・。”
橋を見上げても変化は無い。
“ 居ないのだな・・・・。
・・・・・・・・。
消えてしまったままなら、まだいいが・・・。
でも、確かに居たよな・・・・。
あれって、世に言うナニの類のものか・・・?
一応、今は居ないような気がするけど・・・・。
でも、このまま、夜になったら、また、ここに出て来るとか・・・・・。
“こんばんは”とか、言いながら・・・・・・・。
ゲッ、ゲゲッ!?”
俺はピンチに陥ったことを痛感した。
それに、俺は山住神社に来ていることを誰にも言っていない。
“ これはマズイぞ・・・・。”
探しに来てくれる人は誰もいない。
“ シャリ、シャリ、シャリ・・・。”
川の流れの音が、妖怪“小豆洗い”の音に聞こえる。
俺は思わず音のする後ろを振り返った。
でも、そこには誰も居ない。
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