大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道107

2008-08-31 19:08:39 | E,霧の狐道
 俺は辺りの様子を窺いながら思った。

“ これはとんでもないことになったぞ・・・。
 あの女の子、それに、あの男の声は、何なんだ。
 男は、何処に消えてしまったんだ。
 あの女の子は、まだ橋の上に声を潜めて俺の様子を窺っているのだろう  
 か・・・。”

橋を見上げても変化は無い。

“ 居ないのだな・・・・。
 ・・・・・・・・。
 消えてしまったままなら、まだいいが・・・。
 でも、確かに居たよな・・・・。
 あれって、世に言うナニの類のものか・・・?
 一応、今は居ないような気がするけど・・・・。
 でも、このまま、夜になったら、また、ここに出て来るとか・・・・・。
 “こんばんは”とか、言いながら・・・・・・・。
 ゲッ、ゲゲッ!?”

 俺はピンチに陥ったことを痛感した。
それに、俺は山住神社に来ていることを誰にも言っていない。

“ これはマズイぞ・・・・。”

探しに来てくれる人は誰もいない。

“ シャリ、シャリ、シャリ・・・。”

 川の流れの音が、妖怪“小豆洗い”の音に聞こえる。
俺は思わず音のする後ろを振り返った。
でも、そこには誰も居ない。




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