河原の雑草が風に吹かれて揺れていた。
“ でも、あの女の子は橋の上にいる筈だ。”
俺は、橋を見上げた。
しかし、誰も橋からこちらを覗き込んでいる者はいない。
汚い橋の裏側しか見えなかった。
俺は不審に思ったが、動けないので、とにかく、橋の上に向かって、もう一度大声で助けを呼んだ。
「 た・す・け・て・く・れぇ~~~~!!
川に落ちたァ~~~~~~!!」
辺りは、シーンとしていた。
“ ホントに誰も居ないのか・・・・。
あの女の子も居ないのか・・・・・!?”
俺は、心細くなって来た。
“ このまま、ここで夜が来るのはイヤだなァ・・・。”
俺は、再び、周りをキョロキョロ見回した。
河原は日が翳って暗くなり始めている。
その寂しそうな風景に不安が大きくなる。
“ あの橋の下の声は何だったんだ・・?
さっきの、女の子は何だったんだ・・?
・・・・・・・・。
ううううう・・・・。
何だ、何だ、何だ、これは、くそっ、ゴラァ・・・・!”
俺はメチャメチャヤバイ気がして、大声で空に向けて叫んだ。
「 うおォ~~~~~っ!
誰か来てくれぇ~~~っ!!
助けてくれぇ~~~!!
おォ~~~い!
おォ~~~い!
おォ~~~い!
おォ~~~い!」
俺は、何回も繰り返した。
でも、反応は何も無かった。
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