山下先生が、格闘を始めた。
画面の女の子は、三回に一回はキツネに蹴っ飛ばされてプシュッと消える。
その度に、山下先生は雄叫びを上げる。
「 くそぉ~~~~っ!
にゃろぉ~~~~~っ!!」
再び現れた画面のキツネは嬉しそうにピョンピョン跳ねる。
キツネは遊び相手が現れて楽しそうだ。
俺はそれを見ながら、カップラーメンを食べ終わった。
“ そうだな・・・・。”
俺は壁に掛けてある時計を見た。
“ もう、時間もかなり経ったし、ヤンキーも俺を捜すのを諦めているだろうな。
そろそろ、脇社に行くか・・・・。”
俺は、山下先生に言った。
「 あの~、そろそろ、帰ります。」
山下先生は、キツネと戦うのに必死で、こちらを見ようともしない。
パソコンの画面を見たままの状態で言った。
「 そうか、帰るか。
じゃ、気を付けてな!」
「 ハイ!」
俺は一旦ドアを開けて、外の様子を窺ってから、台所の自転車のスタンドを上げた。
「 じゃ、帰ります。」
「 明日は、宿題、忘れるな。」
「 は~い。」
俺は山下先生の部屋を後にした。
俺は、通路をアンパンマン自転車を押しながら思った。
“ コンセントに、パソコンの電源プラグが差し込まれていないことに、
山下先生は何時気が付くんだろう・・・?”
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