大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 6月13日 近所の子

2014-06-13 19:05:22 | B,日々の恐怖



     日々の恐怖 6月13日 近所の子



 俺がまだ小さい頃、近所によく遊ぶ女の子がいた。
その子はちょっと不良っぽくて、実際口も悪いし、すぐ「あぁん?」みたいに言う様な子だったんだ。
それでも、何だかんだで面倒見が良いし、他の子ともまぁまぁ仲良くやっていた。
 それで、いつだったかあやふやだけど、その子だけが俺の家に遊びに来たことがあったんだ。
今から考えてみると、ちょっと無口で不機嫌そうだったけれど、俺としては家に友達、しかも女の子ということもあって、さして気に留めずに家に招き入れた。
 ゲームは兄の持ち物だから出来ないってことで、漫画読んだりテレビ見ながらゴロゴロしてたら、NHKで“俺はあいつであいつは俺で”ってのやり始めた。
二人の男女が頭を打ち付けたら、心が入れ替わってどうのこうのってヤツ。
 しばらくそのドラマ見てたんだけれど、その子が急にこっち向いて頭をゴンッて俺にぶつけたんだ。
それで、その子は、

「 入れ替わらんかァ・・・。」

みたいに言って笑った。
 俺は普段あまり見ないその子の笑い顔が何かおかしくて、ゲタゲタ笑ってたんだ。
何年かして、その子も家族ごと引っ越していなくなった。

 俺が成人してから、俺の子供の頃の話を親としてたらその子の話題になって、親が言うんだ。

「 あの子の家は、ちょっとねぇ・・・。」

 話を聞くと、その子の父親は傷害で刑務所行き、母親は子供を育児放棄気味だったらしい。
そして、その子には妹がいて、幼稚園の送り迎えとかもその子がやっていたと言うことだった。
あの子、どんな気持ちで俺に頭突きしたんだろうか。











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