大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 6月5日 電話

2014-06-05 19:00:39 | B,日々の恐怖



   日々の恐怖 6月5日 電話



 彼女と一緒のときに、見たことない番号から電話が掛かって来た。
間違い電話と思って無視してたんだけど、彼女が、

「 私の前じゃ出られない番号なわけ?」

とか言って、なんか浮気を疑ってしつこいから仕方なく出た。
そしたら、いわゆる架空請求詐欺の電話だった。

「 あなたがご利用になったサイトの料金が未払いです。」

って言っていた。

「 俺、彼女いますんで、そういうとこ見ませんから。」

とか言っても、マニュアル通り、登録ありますんで、の一点張り。
こういうのって無視が一番なのに、彼女まだ疑ってて、

「 代わって!」

とか言って、携帯奪って話し出した。
 相手は空気読まずに、

「 あなたの彼がご利用になった・・・。」

とかまだ言ってて、彼女の顔が青ざめてきた。
浮気の疑い晴れたけど違う意味でピンチ。
 俺が横で、

「 そういうよくある悪徳業者って分かるだろ。」

とか小声で彼女に言っても、益々彼女の表情が引きつってきた。
 せめて詐欺からの電話だけでも終わらせようと、電話取り返したら急に彼女が大声を出した。
電話口で大声出された相手は怒って、

「 ふざけとんのか、クルルァア!」

とかめっちゃ巻き舌で凄むし、面倒くさい状況になってしまった。

「 うちの彼女ちょっとアレな系で・・・。」

とか訳わかんないことを言いつつ切るタイミング計ってたら、彼女が、

「 早く切って、今すぐ!」

と袖引っ張った。

“ 自分のせいで切り難くしといて・・・。”

と思ってたら、携帯を即座に取り上げて切ってしまった。
 俺が、

「 一体なんなんだよ?」

と訊いたら、

「 さっきの電話は聞き続けたらダメ。」
「 そりゃ詐欺師の相手し続けるわけにはいけないけど、そんなに怯えなくてもいいよ。
ああいうのはただの脅しで、こっちの居場所はおろか、名前さえも特定できてやしないんだから、切ったらいいんだよ。」

と説明したら、

「 そっちの意味でヤバいんじゃない。」

 それで理由を聞くと説明してくれた。
彼女が架空請求業者の電話を取った時、初めは女じゃなくてホッとしてたところ、淡々とマニュアル通りの台詞を言ってる相手の声に混じって、もう一人誰かが囁いてる声がする。
 後ろで上司のヤクザが指示を出してたんじゃないかと俺が笑い飛ばしたら、彼女曰く、

「 お婆さんみたいな声だから、そんな筈はない。
それに、童謡みたいな気味の悪い歌を歌っていた。」

直感的に、これは聞き続けたらヤバいと恐怖感が凄まじく込み上げてきて、思わず悲鳴を上げてしまったらしい。
 相手は聞こえていなかったようで、当然俺にもそんなの聞こえなかったから、知らぬが仏で関係ないとか言ったら、

「 でも気付かないからって、無事で済むかどうかは分からないでしょ・・。」

そして、最後まで聞いていたら恐ろしいことが起きそうな予感がして、携帯を強奪して切ったと言うことだった。
 その後、彼女の愛犬が死んだのと、俺がバイク事故で片足骨折したのは、多分それと関係ないとは思うが、そうでないとも完全には言い切れない。










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しづめばこ 6月5日 P307

2014-06-05 19:00:13 | C,しづめばこ
しづめばこ 6月5日 P307  、大峰正楓の小説部屋で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
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小説“しづめばこ”



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