大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 6月27日 友人

2014-06-27 19:04:53 | B,日々の恐怖


   日々の恐怖 6月27日 友人


 ちょっと前にニュースにもなってたんだけど、俺の友人の子供が公園の雲梯で遊んでたんだけど、ランドセル背負ってたので首が挟まって死んだんだ。
 友人は最初会社に勤めながら、出勤前と出勤後に市を批判するビラを配ったり、訴訟の準備とかしてた。
俺も友人があまりにも真剣に語ってくるので、かわいそうに思ってビラ配りを何回か同僚と一緒に手伝ったりもしてた。
 最初は多少興味を持ってくれる人もいたんだけど、日が経つごとに立ち止まる人はいなくなった。
かわいそうだけど、当然のことだと俺は客観的に思ってた。
 これじゃ子供は報われないと、駄目だと、友人は会社を辞めて、一日中妻と一緒にビラ配りを始めた。
友人が会社を辞めてからも、ビラ配りを一緒にして欲しいと何回も電話があった。
 仕事中、深夜も、一日に何回も続いた。
こっちはストレスが積もった。
着信拒否をしたけど、会社への電話は止まらない。
職場の人たちにも同じようなことをしていたらしい。
 着信拒否の設定ができない同僚もいたので、俺は同僚たちと一緒に一回友人と話し合って、電話をやめてもらう様に話し合いに家まで行った。
出てきた友人はひどくやつれていて、表現するならまさに死人のようだった。
 案内された家の中はひどい有様で、たんすは倒れているし、割れた食器が散乱している。
ひどい状態にあっけを取られる中、同僚が今回のことを話した。
 そうすると友人は、今までの死人から豹変した。
妻は大声で泣き出した。
友人の眼は完全に逝っていて、奇声を上げだしたので急いで逃げた。
 同僚の一人が110番入れようとしたけど俺は止めた。
その後は、酒席でたまにその時のことが話題になるくらいで、友人がどうなったかは誰も知らない。
もちろん気になるけど、一生かかわりたくないと思ってる。











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