日々の恐怖 6月24日 ツレ
俺のツレの話なんだけど、いいかな。
金のないツレが駐車場代を浮かす為に、世田谷区の空き地に違法駐車していた。
大晦日午前5時頃から、実家の大阪に車で帰省すべく、荷物をせっせと運んでいた。
さあこれで三往復目って時に、道の先に若い男を捉えた。
フードをかぶった、片方の手には白くて丸いもの?を持つ男。
ツレは、
“ きっとこの近所の人だ・・・。”
と戦慄。
“ 路駐してることがバレて通報されたらどうしよう・・・。”
若い男とまもなくすれ違うって距離になった時、互いの目があった。
目が合ったまますれ違った。
ツレは、
「 俺と同じぐらいの身長だった(180cm)、多分自分より若い。」
元旦、大阪の実家でテレビを見ていると、気になるニュースが流れた。
世田谷一家殺害事件。
なんとツレが違法駐車していた空き地は、被害者宅の目と鼻の先。
あの一軒家の前を通過して、対面の空き地へと抜ける。
どうしようか散々迷った。
“ 違法駐車がバレてしまうかもしれない・・・。”
でも、お節介気質の方が勝ったのか、警察に連絡した。
「 不審者ではないかもしれないけど、すれ違った男がいた。」
数日後、携帯番号を教えていた警察から電話があり、
「 できればもう少し話しをきかせてくれないか?」
とのことだったので、
「 多分、来週水曜日には東京に戻ると思う」
と伝え、同時に住所も教えた。
水曜日に戻るはずだったが、実際は月曜日早朝に帰京。
アパートのドアを開け中に入ると、ドアを叩く音。
出ると警察だった。
「 なぜ水曜日ではなく、月曜日に戻ってきたんですか?」
その日から約半年間、警察がツレをマーク。
ツレはそれが原因で鬱病になってしまった。
もちろんツレが犯人ではないんだけど、ツレが目撃した“片方の手に白くて丸いものを持っていた”という証言が、マークされるきっかけとなったようだ。
最初の頃に報道されなかった、犯人は手を怪我しており、バスタオルを手に巻いて現場から立ち去った、という情報。
マークされていた人物はツレ曰く、
「 少なくとも最低5人はいたと思う。」
とのこと。
「 すれ違った男は、この中にいるか?」
などの面通しもあったそうだ。
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