大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 6月1日 でかい眼

2015-06-01 18:35:36 | B,日々の恐怖


   日々の恐怖 6月1日 でかい眼


 俺の家は二世帯住宅みたいな感じで、下に父方のじいちゃんばあちゃんが住んでいる。
小学校の頃なんかは、帰ったら二人に今日あったことなんかをずっと話してたもんだけど、大学生とかになると家に帰らなかったり、すぐに二階の自分の部屋に籠っちゃったりで、2、3日か、下手すると5日くらい二人と会わない状態が続いた。
 それで、大学4回の時に初めて内定を貰って、久し振りに二人と腰据えて話そうかと思ったんだ。

“ 何かと、めでたいときは理由付けてお小遣い貰ってたからなァ・・。”

そう思いながら、炬燵入ってテレビ見てるじいちゃんとこに行った。
 そこでふと違和感に気付いた。
テレビ台のガラス扉の裏側、そこにでっかい眼が画用紙に描かれて貼ってある。
 その時は、それについて話すタイミングを失ったけど、まじで異様過ぎて触れられ無かった。

“ 二人ともカルトにハマるような人でもないし・・・”

と、暫くは見なかったことにしてたんだが、この眼の絵が一階の至るところに出てくるようになった。
じいちゃんの枕元や洗面所、テーブル敷きの下とか。
 実害は無いのに言い知れぬ恐怖を感じた。
それで、たまたま早く帰れたある日、じいちゃんがカレンダーの裏にでかい眼を描いてた。
俺は意を決して、

「 何してるんだ?」

と聞いた。
すると、

「 目薬さすのを忘れないように・・・。」

と言った。
一気に肩の力が抜けたよ。
 多分皆バカじゃね~の、とか思うだろうけど、当時は本当に怖かったんだよ。
因みにこの習慣は、遊びに来た姪がどうしても泣くのでやめたらしい。












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