日々の恐怖 11月6日 正月は暇(4)
それから数時間経過しただろうか、ハッと目が覚めた。
しかし、身体が動かない。
またもや、グン、グン、と足下が凹む。
“ 絶対足踏みしてる・・・。”
と確信した。
声にならない声で、
“ しつけーよコラ、なんなんだよテメーは!”
とシカトして寝た。
部屋が異様に寒かったのを覚えている。
さらに数時間後、また目が覚めた。
今度はあり得ないくらい激しく足下が揺れていた。
“ さすがにヤバいか、コレ?”
と思った瞬間、知らない作業着のオッサンが、
「 ううううううう・・・。」
と地鳴りのような声を上げて、四つん這いでせり上がってきた。
その声はどんどん大きくなり俺を覆い被さるような状態になり、俺の顔に近づいてきたときは、
「 う、う、う、お、お、お、お、あ、あ、あ、あ・・・・・。」
と言う大きな声になっていた。
かなりビビったが、何度も眠りを邪魔された怒りの方が大きくて、
「 うるせーよ、クソッ!!!」
って感じで跳ね起きた。
一瞬でオッサンは壁に消えた。
時計をみたら3:30過ぎだった。
速攻フロントに電話をした。
「 帰るからタクシー呼んで下さい。」
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ