日々の恐怖 11月14日 ズル休み(2)
それで妹は、怖さの余り、
「 違います!」
と心の中で答え、そして何を思ったか次に、
「 向こうです」
と私の部屋の方向を目線で指した。
そうすると女はその方へ、ベランダ伝いにゆっくり歩いて行って見えなくなったとか。
私は、
「 なんてこと、してくれるのよっ!」
と怒りました。
つまり、私の所に来たのは妹のせいだったわけです。
その話を聞き、たしかに見せられた地図には路線が書いてあったと気付き、これは無関係ではあるまいな、といよいよ寒くなった。
本当なら地図の場所に行けば何か進展したのかもしれないが、あいにくボヤけて見えなかったわけで、その後は何も出来なかった。
腕が切れていたのだし、
“ ×印の所に腕があるのでは?”
とか、
「 娘さんですか?」
の言動から、
“ 父親の愛人では!?”
等と、家族で話した。
しかし、特に思い当たる節はなかったようで、結局それで終わってしまった。
今でも我が家では話題に出て来る話です。
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