大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 7月5日 くだらねえこと

2017-07-05 20:06:43 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月5日 くだらねえこと




 俺、廃棄物処理場で働いてるんだけど、そこに細かい金属屑が流れる配管がある。
その配管は4系統あって、それぞれ3か所点検口があって、定期的に点検する。
 たまに詰まることがあって、詰まると復旧が非常にめんどくさい。
だけど、一か所だけ誰も開けない点検口があって、先輩に訊いたら、

「 そこは見なくていい。」

ってだけ言われて、機嫌悪くなっちゃって教えてくれない。
 でも、やっぱり気になる。
それで、職場の飲み会の後で酔っ払った別の先輩に訊いたら、

「 あそこは絶対に詰まらないから大丈夫。
詳しいことはAさんに訊いてくれ。」

と言われた。
 Aさんってのは古株のオッサンで、あんまり接点が無いんで訊きづらいんだけど、どうしても気になったからいきなりだけど訊いてみた。
 Aさん曰く、

「 あそこの点検口は、開けると青白い手が出てくんだよ。」

と言われた。

“ なんだか安っぽい怪談だなぁ・・・。”

と思いつつ、

“ でも、じゃあなんで詰まらないのよ?”

なんて考えてたら続きがあって、

「 みんな気味悪がって点検しないから、頻繁に詰まる様になって困ってたんで、しかたなくBさんに頼んで一緒に点検しに行ったんだよ。」

BさんってのはAさんの元上司で、俺が入った時はもう定年で退職していた。

「 開けたらやっぱり手が出てきてあせってたら、Bさんいきなりハンマーで手をぶん殴って怒鳴ったんだよ、

『 くだらねえことしてねえで、詰まらねえ様に見張っておけ!』

ってさ。
 なんだか笑いばなしになってきたけど、実際にその辺りが詰まったのはその後一回だけだ。」

って言われた。
 その一回詰まった時も、Bさんが配管をプラハンでバコバコぶったたいて、

『 てめぇ、サボってんじゃねえぞ!
今度詰まったらぶっ飛ばすぞ!』

って怒鳴ったら詰まらなくなった。
で、Bさんの命令であそこは見なくてイイってことになった。
 配管の造りは4系統皆同じなので、そこだけ詰まらない理由が分からないが、それって嘘くさい話だけど、確かにその点検口の辺りだけは詰まったことはないし、みんなそこに行くの嫌がってるのが分かるんで、本当なのかなぁと思いつつある。












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