大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 7月29日 叩く音

2017-07-29 18:22:54 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月29日 叩く音




 小さい頃、5階建ての団地の2階に住んでて、玄関近くで壁を隔てて階段がある部屋で寝てたんだけど、ある夜、下の階の家の玄関の戸を叩く音が聞こえてきた。
 1つの階で階段を挟んで2軒の家が向かい合う形の団地で、下の階の2軒の戸を叩く音が聞こえた後、向かいの家の戸を叩く音が聞こえた。

“ 次はうちに来るのかな?”

と思っていたら、案の定うちの戸を叩く音が聞こえてきた。
 足音は聞こえないのに戸を叩く音だけが聞こえるので不思議に思っていると、上の階の家の戸を叩く音が聞こえてきた。
 その後も戸を叩く音は上にあがっていき、5階の家の戸を叩く音が聞こえてきたところで新聞配達が来た。

“ 配達の人が、戸を叩く音の主と鉢合わせになるんじゃないか・・・・。”

と思っていたけど、新聞配達をしている間は戸を叩く音が聞こえず、階段を駆け上がる音と新聞を投函する音だけが聞こえていた。
 新聞の配達を終えた配達の人が帰った後、また5階から戸を叩く音が聞こえてきた。
音が下がってきたので、

“ まさか、また全部叩いていくのか・・・・?”

と思っていると、うちの番になったとき、なぜか戸を叩く音は聞こえてこなかった。

“ なんで・・・・?”

と怖くなりドキドキしていると、しばらく経ってから向かいの家の戸を叩く音が聞こえてきた。
呆然としてるうちに下の階から戸を叩く音が聞こえ、それ以降はなにも聞こえてこなかった。
 朝、起きたときに夢だったのかと思い、同じ部屋で寝ていた姉に聞くと、姉も戸を叩く音が聞こえていたらしい。
その後、引っ越すまで同じようなことはなく、他に怖い思いをすることはなかった。












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