大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 7月18日 認知症と幻覚(2)

2017-07-18 19:57:36 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 7月18日 認知症と幻覚(2)




 数年前、無職でとうとう愛車まで売って生活してた頃、昼間嫁の車で就職活動をして、嫁を仕事先まで送り迎えしていた。
 嫁は介護士で、仕事先は隣町のグループホームだった。
夜は幼い娘と嫁を迎えに行ってたが、ある夜、嫁が施設から出てきて、駐車場にいる俺らの所まで来ているのが見えたとき、娘が、

「 ネコちゃんがいるよ。」

と言う。
 何気に、

「 ん?どこに?」

って聞くと、

「 ママのとこ。」

と答えた。
 聞けば嫁の足下に戯れるように黒猫が絡み付いていたが、話してるうちにいなくなったそうだ。
俺は見ていない。
 嫁はいつも車に乗って来るなり夕飯のこととかマシンガントークが始まるので、娘のネコの話はそれっきりだった。
 それで、その夜娘を寝かしつけた後に嫁と話していると、

「 今日二人の利用者のお婆さんに、ネコがいるって言われた。」

とグループホームでの話があった。
 一人(かなり認知が進んだお婆さん)には、歓談室で嫁の足下に向かって、

「 まおまおまお・・・・。」

と言われ、ネコを呼ぶような仕草をされて、もう一人(軽い認知のお婆さん)には、

「 あら、かわいい猫ちゃん連れてるのね。」

と話し掛けられた、
別々の時間帯に言われたそうだ。
 嫁が、

「 ネコでも憑いてたのかしら?」

なんて言うから、嫁が車に乗る前の娘の話をした。
 利用者さんに見えてたネコも黒猫だそうで、多分二人の利用者さんと娘には本当に黒猫が見えてたんじゃないだろうか。
幻覚と決めるのもどうかと思う。














童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------