日々の恐怖 2月1日 病院関連話(19) かかりつけ医
いわゆる町の開業医(まあ町医者)を、かかりつけ医にすることを勧めている。
彼女のいるような大きな病院だとお金も高いし、何より待ち時間がとんでもなく長いからだ。
町医者が、精密検査とかが必要と判断した時に、紹介状を持って患者が訪れる。
それで、ある患者さんが来て紹介状を読むと、
『この患者はもう手に負えない』
みたいなことが書いてある。
見たところ、足腰は悪いけれど普通のお爺さんだ。
先生から、
「 ちょっと電話して、どういうことなのか聞いてみて。」
電話してみると、奥さんが出た。
その病院は、先生と看護師の奥さん、あと2~3人の看護師で回している小さな病院だ。
直接会ったことはないんだけど、すごく穏やかな感じの人で、
” ああ、この奥さんにつながって良かった。”
って思った。
それで、話を聞くのだが、なかなか話したがらない。
ちょっときつく問い詰めると、
「 あの患者さんが来ると、他の患者さんが逃げるように帰って行くんです。」
「 何か暴力をふるったりするんですか?」
「 いえ、そんなことはないんですが・・・・。」
「 どういうことなんですか?」
「 私らには見えない何かが他の患者さんには見えているんじゃないかと・・・・。」
おいおいうちは姥捨て山じゃないぞ。
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