日々の恐怖 3月3日 ワイ君の話(9)
で月曜の朝になって工場の作業員が来て
事務所のカギ開けて機械の電源入れる言うから
電源入ってたらしいんや言うた
さすがに不審がられた
でも電源入ってるやからしゃーないやんか
平日くる警備員も来たから時間切れやし
で、警備員呼ぶ担当のおっさんに時間やけ
カギ返すときしつこく
「何もなかったよね?」って聞かれて
言っても信じてもらえやんから
何もなかった言うて帰ったんや
数日して同じ仕事した後輩と話しとって
「ワイさんよくあんな水道管のとこ開けたな
あんなとこ絶対なんか居りますよ」
言われたわ
何より後輩も土曜の昼はなにもなかったが
日曜は昼でも職人がいても不気味やったそうや
今思えばワイが開けたドアから何かを
放ってしまったんやろうかと思う
忘れられてる物置にしか見えんかったが
これがワイの話や
10年くらい前の神奈川県の話やで
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ