大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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なんじゃもんじゃ物語221

2007-10-20 17:31:31 | _2-19 港への道
 私は、床から直ぐに立ち上がって扉に走り、病室から飛び出しました。
病室の外は非常灯だけで、薄暗い廊下が続いていました。
廊下の真ん中には、薄気味の悪い看護婦さんが押してきたであろう医療器具を載せたワゴンがポツンとありました。
 私は、ワゴンの横をすり抜け、エレベーターの横にあるナースステーションを目指して走り出しました。
ナースステーションには、夜勤の看護婦さんが詰めている筈だからです。
私は、夜勤の看護婦さんに助けを求めていたのです。
 静かな廊下に、“ぺたぺたペた”と言う私の足音がしています。
私、裸足で走っていたのです。
スリッパなんて履いている時間は無かったです。
とにかく“逃げなきゃ”って思いました。
 後ろは怖いので見ていません。
振り返って、真後ろに看護婦さんがいたら怖いでしょう。
もう、必死ですよ。
 直ぐにナースステーションに着きました。
でも、おかしいんです。
ナースステーションに電気が点いていないんです。
中は、真っ暗で誰も人が居ないんです。
 私、思いました。

“ わっ、まずいなァ~!”

そして、今、飛び出して来た病室の方を振り返ったんです。



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