日々の恐怖 5月19日 ワイの話(16)
月日が経ち、あれから特に不思議な事が起きなくなった。
マッマ曰く、
「 もう多感な時期を過ぎたから、妹ちゃんはみえなくなったんじゃない?」
と言っていた。
まぁ、人にはみえないモノをみえると言わない方が良いって事を知るくらい妹も成長し、大人になったのだろう。
ワイは進学を機に、ど田舎から脱出し、独り暮らしを始めた。
長い休みになると様子見と称し、実家から妹が遊びに来た。
「 行きたいお店があるの!」
見せられた紙には、数点の服屋の名前があった。
もちろん、妹は場所を知るはずも無いので、ワイがナビして買い物に付き合う。
割と都会(当社比)なので、地元のど田舎にある古い服屋では出来ないような買い物に妹は終始、楽しそうにはしゃいでいた。
ワイはいつも妹や弟がいる実家を疎ましく思っていたが、独り暮らしを始め、いざ一人になると結構寂しかったので、久しぶりに妹の顔を見たワイも、この時はかなりはしゃいでいたと思う。
妹は数日間滞在し、田舎へと戻って行った。
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