日々の恐怖 5月22日 ワイの話(17)
それから数日後、弟から電話が掛かってきた。
「 兄ちゃん!今度は俺も、そっちに行くから!」
「 おう、マッマの許可降りたらな~。」
お土産に買ってきて欲しかった服が無かったとか、姉ちゃん(妹)は自分の物で頭いっぱいで弟の物を忘れていたとか、ワイはたわいもない愚痴を聞かされた。
大きくなっても、
“ ぽけらっー。”
として抜けてる妹は、
“ 小さい頃とあんまり変わらないな~。”
とかワイが思っていると、電話越しの弟が急に真面目なトーンになった。
「 ちょっと、兄ちゃんに話したいことがあるんだけど・・・・・・。」
「 どした?」
「 姉ちゃんが帰ってきてから、家族会議があったんだけど・・・・・。」
「 家族・・、会議・・・・?」
少なくともワイが実家にいる時には無かった制度に、
“ 何事か・・・・・??”
と疑問符が浮かぶ。
弟が続けた。
「 姉ちゃんは、兄ちゃんには絶対に言うなって言ってたんだけど・・・・・。」
ワイは、
“ 何のことだ・・・?”
と微妙に不安になる。
「 マッマも兄ちゃんが怖がるから話すな!って言ってたけど、多分知らない方が兄ちゃん怒るだろうから、さ?」
流石、弟だ。
弟がまだ赤ちゃんの頃、ワイがおしめを替えてやるくらい面倒見ていたからか、弟はワイを兄としてかなり慕ってくれているのだ。
ワイは、
「 よし、話せ!」
と太っ腹に答えた。
そして、ワイは忠臣から報告を受けるような気持ちで、家族会議のことを聞いた。
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