日々の恐怖 11月7日 同僚(1)
会社の同僚が亡くなってから約1年経った。
同僚と言っても、彼は50歳過ぎの大先輩だ。
昨年3月に小さな胃癌が見付かり、早目に取ってしまおうということで4月初旬に腫瘍摘出手術を行った。
術後回復も順調で、手術から5日目には私も見舞いに行き面会をしてきた。
面会は手術後3日目から許可されていて、会社の後輩の中では3日目に見舞いに行った人間もいた。
今だから言えるのかもしれないが、3日目に面会に行った人間の報告と、5日目に私が面会に行った時の印象との違和感は、気のせいではなかった。
5日目に私が見舞いに行くと、なんだか聞いていた報告よりも元気がない。
術後8日目深夜、巡回中の看護婦が同僚がベッドから落ちているのを発見した。
この時点で心肺停止を確認した。
午前2時過ぎ、家族により心臓マッサージの終了希望があり、還らぬ人となった。
ちなみに、死因は医療ミスによる心臓麻痺だった。
これは病院側が正式に認め、遺族に謝罪した。
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