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日々の恐怖 11月5日 実は私です(5)

2019-11-05 16:59:09 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 11月5日 実は私です(5)




 高校の時、部活(天文部)の一環で、夜間に自宅周辺から流星群の観測をするというのがあった。
近所にある古墳の周辺は街灯もなくベストポジションだったので、23時頃そこへ向かった。
 寒かったので当時流行っていたロングコート(赤)を姉から借り、白いマフラーを首にぐるぐる巻き、しかもその頃はメーテル並みに長かった髪を束ねないままの格好だった。
 しばらく観測していると、走り屋の皆さんが古墳前の広場に集合し始めた。

“ 見つかったらイヤだな・・・・。”

と思い、広場から見えない場所に移動したのだが、そのとき、

「 あ!なんか女がいた!」

と一人が叫んだ。
 すると、

「 俺も見た!
長い髪で、首にロープ巻いていた!」
「 真っ赤だったぞ、あれ血じゃないか!?」

とか口々に叫び出し、

「 ・・・幽霊!?」

という言葉で、全員悲鳴を上げて逃げていった。
 後日、その古墳には首つりをして全身を血に染めた女の幽霊が出る、と言われるようになった。

 あれから二十年以上。
小学校に入学した子供が、

「 お母さん!
あの古墳に血染めの首つり女の幽霊が出るって!
見たら呪われるって!」

と青い顔して教えてくれた。

「 息子よ、それは私だ!」

とは言えなかった。







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