日々の恐怖 7月22日 ステキな金縛り(1)
大学で幽霊がいる、いないの話になった。
俺は当然いない派で、鼻で笑ってやった。
すると、いる派の友人は言った。
「 じゃ、自殺かなんかの瑕疵物件に住んでみろよ、酷い目にあうから!」
「 ああ、分かった、やってやろうじゃないか!」
俺は二つ返事で、実験することにした。
これは、怖いもの知らずだった俺が、完璧になめて掛かって瑕疵物権に住んでみた話だ。
不動産屋に行くと、案外簡単に物件が見つかった。
物件は駅から徒歩10分、2LDKで3万5千円だ。
この地域の相場の半額だ。
不動産屋で、瑕疵物件で安い所を探してると言って見つけた。
本当に出るらしい。
あまりに回転率が激しい為、敷金礼金は無しだという事で即決した。
不動産屋に、
「 本当に出ますよ。」
と言われて、一応、念のため荷物は最低限にした。
すぐ逃げれるようにだ。
実際、段ボール2箱。
以下が、その時の記録だ。
記録は次の日に書いた。
・1日目
特に異変なし。
トイレの電球が切れる。
・2日目
部屋中がなんか臭う(なにかが腐った臭い)。
トイレの電球交換。
・3日目
臭いが増してる。
消臭剤を大量に置く。
トイレの電球がまた切れる。
・4日目
消臭剤が効かない。
不動産屋にTel。
トイレの電球また切れる。
人生初の金縛り。
・5日目
不動産屋が調査。
とりあえず排水管の掃除を専門業者に依頼するとの事。
電球が切れてない事が判明。
消えた理由調査で電気屋に来てもらう。
結果、異常無し。
金縛りに合う。
耳鳴りがひどい。
・6日目
大学で、話したこともない女性に、
「 あなた憑いてますよ。」
と言われる。
俺は、
「 知ってますよ。」
と答える。
部屋にいる間中、耳鳴り。
部屋は臭い。
トイレの電球消える。
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