日々の恐怖 7月25日 ステキな金縛り(2)
ここからは、実家に逃げ帰ってからの記録だ。
結果、7日目で退去した。
時間は未確認だが、寝ていると金縛りで意識が起きる。
目を閉じてるはずなのに見える。
視野の下から顔が出てきた。
閉じてる目には、その姿を逸らす方法は無かった。
多分若いであろう女性だった。
目は無い。
口を開け近づいてきた。
俺は、
” 噛まれる。”
と思った。
が、耳元で、
「 なんで殺した。」
そう聞こえた。
言葉に出せない俺は心の中で、
” 俺じゃない、俺じゃない!”
と叫びながら気を失った。
朝、目覚めて荷物をまとめて退去した。
不動産屋からは自殺だと聞いていた。
退去後すぐ電話し、確認したがやはり自殺だと言われた。
退去の事を伝えると鼻で笑われた。
馬鹿な俺は、その足で警察に行った。
俺は、
“ 他殺じゃないか・・・・?”
と思ったからだ。
警察で、一部始終を話した。
話を聞いてくれた警察官が笑いをこらえた表情で、
「 ご協力ありがとうございます。」
と言った。
以前の俺を見ているようだった。
友人に、
「 ほ~~ら、言わんこっちゃない!」
と言われた。
俺は賃貸料と信念を失った。
“ 悔しい・・・。”
後日談は、まだ無い。
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ